チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

チェンライ、バイク利用法

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チェンライ、バイク利用法

チェンライでは日本では見かけない乗り物が走っている。トゥクトゥクという3輪タクシー、ソンテウという小型乗合トラック、サムローという3輪人力車など、また、荷台に多勢の人間を乗せて走るトラックは日本ではもう見られない。

バイクは庶民の足である。日本では年配女性は余りバイクに乗らないと思うが、こちらでは腰の曲がったようなおばあさんが、孫娘を乗せて走っている。小さな子は通常、運転者の背中にしがみついているが、幼児は運転者の前に座っていることが多い。バイクから子供が転げ落ちたという話は聞かないから、まあ安全なのだろう。

日本の業務用バイクには後部に荷台があるから、みかん箱くらいの大きさの荷物なら縛り付けて運べる。また、バイク前部や後部に大きなかごをつけて、ある程度の量の荷物を運べるようになっている。しかし、タイのバイクには荷台がないし、前部のかごもヘルメットが入るかどうかの大きさしかない。バイクで大きな荷物を運びたい。そのときタイ人はどうするか。答えは左手で持つ、である。我が家ではプロパンガスを使用している。月に一本くらいタンクが空になる。ガス屋さんに電話をすると、10分後にはタンクを持ってきてくれる。それがバイクに乗ってタンクを左手で抱えながら登場するのである。タンクは高さ60センチ直径30センチの円筒で、重さは優に20キロはある。バランスをとるだけでも大変だ。ボンベに限らず、テレビや布団を抱えて、あるいは鍬や草刈機を担いでバイクに乗っている人を見かけることは多い。

さて、手に持てないほどの量の荷物をバイクで運ぶにはどうするか。これは見たところ2つの方法があるようだ。一つは青竹の両端に直径50センチほどの竹籠(コエという)を振り分け荷物にして、これをバイク後部座席に固定する。キャベツや竹の子を二つの籠につめれば、恐らく数十キロ分は運べるだろう。もう一つはリヤカーに荷物を積んでバイクで引っ張るという方法だ。日本ではリヤカーを引っ張っているバイクを余り見ないが、チェンライではこれが物流の主流だ。

リヤカーを(空いている)左手で掴んで走るバイクを見たことがあるが、これはそれ程一般的ではない。バイクとリヤカーの一般的接続法は、リヤカーの横棒にタオルをかけ、その二つ折りにしたタオルをバイクの座席に敷いてその上に運転者が座る、という方法だ。走行中、運転者が腰を浮かすとバイクとリヤカーが泣き別れになる心配があるが、道路に置き去りにされたリヤカーを見たことがないから、多分、合理的方法なのだろう。

アイスクリームや焼き鳥、スルメ、お菓子などの移動販売バイクをよく見かけるが、これはリヤカーをバイクの左側に、溶接、あるいはボルトでしっかり固定したサイドカー方式のものだ。この移動販売バイクは非常にフットワークが軽く、どこにでも出没する。市のサッカー場で試合がある日にはサッカー場のまわりだけではなく隣のテニスコートの方までこの移動販売バイクが参集する。夜、レストランで飲食していると、いつの間にかスルメ販売バイクが現れる。おお、酒の肴に丁度いい、あれ、20バーツ買ってきて、とウエイトレスのおねえさんに頼むことがある。こういったサイドカー付きバイクは移動販売用途だけではなく荷物や人間も運ぶ。10年ほど前、タイ南部のランタ島に行ったとき、島を走るタクシーはこのサイドカー付きバイクしかなかったことを思い出す。

更に前輪の代わりにリヤカーがバイク前部に合体している「サーリン」という乗り物がある。サーリンは恐らく日本語の「三輪」のなまったものだと思う。運転者はハンドルの代わりにリヤカーの横棒を握る。チェンライではそれ程多く見かけない。しかし、先般訪れたスコタイでは街を走る車の3割はこのサーリンだった。座席付きのサーリンも多く、朝、登校する生徒の足となっていた。サーリンはスコタイでは市民権を持っているように感じた。

チェンライ名物のサムロー(人力車)はもうバンコクでは見られない。タイでは乗り物にも地方の特性が現れているようだ。

写真はサムロートゥクトゥク、サーリン等