チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

乾季到来

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

乾季到来

タイでは10月1日からホテルの宿泊代が軒並み50-100%値上げになる。ハイシーズン価格である。行楽に適した乾季に入るので宿泊客が増える。更にクリスマスから正月3が日ほどをピークシーズンといって、ハイシーズンの50-100%増しとなる。需要と供給によってホテル代が上下するわけだ。今年はタイの政変騒ぎでタイを訪れる外人観光客が前年比30%ほど減っており、ホテル業界は青息吐息である。ローシーズンの4月から9月にはチェンライの5星のホテルが通常一泊4千バーツのところ、朝食付き1泊1000バーツのバーゲンをやっていた。乾季到来を機に観光客が戻ってくることを期待したいところだろう。

乾季と言っても10月に雨が降らないわけではない。チェンライの10月の平均降水量は183ミリとなっている。東京大手町の10月の平均降水量が188ミリというからほぼ同じくらいだ。10月以降、チェンライの平均降水量は11月56ミリ、12月18ミリ、1月11ミリ、2月は12ミリとなっている。庭に水を撒かないと植物が枯れてしまう。

日本では、今日で関東地方は梅雨明けです、と気象庁が親切に教えてくれるが、タイでは新聞、テレビで北タイは今日で雨季が明けます、などとは教えてくれない。口コミで、多くのタイ人がこれで乾季に入った、といえば雨季が明けたことになるのだそうだ。10月初めから20日ほど、タイの公立学校は冬休みに入る。この時期、チェンライのスーパー、ビッグCに行くと、テント。寝袋、バーベキューセットなどキャンプ用品の特設売り場が設けられている。日本の梅雨明け、夏休みで海山へ繰り出そう、といった時期にあたる。10月末になると朝の気温は20度を割るようになる。朝靄が立ち込めることもあるが10時前にはきれい晴れて爽やかである。タイ人は寒い、寒いといって長袖の服を着始める。道路沿いに古着の露店があるのだが、ダウンのジャンパーまで売っている。

今年の1月末、日本で一番寒い頃にチェンライに来たので、半袖シャツでも寒いと感じなかった。こちらに長く住む方の話では、2,3年経てばタイの気候になれて体質が変わり、20度でも寒く感じますよとのことだ。その方は最低気温が15度以下になると日本から持ってきた電気炬燵にもぐりこむという。

こちらの人にとってはタイには冬もあり、季節感があるというのだが、自分はここ9ヶ月、ずっとTシャツと短パン、履物はビーチサンダルという非常にラフな恰好で通している。ずっと同じ服装で過ごしていると締りが無く、雨が多いか少ないかの違いはあってもやはり「常夏」の国ではないかという感じになってしまうのだが、雨季入り、乾季入りについてはタイの暦ではっきり決められている。仏教では7月の満月の日の翌日を入安居(カオ・パンサ)といい、遊行に出ていた僧たちが寺に篭って修行をする。

そして10月初めの満月の日を出安居(オーク・パンサ)といい、お篭りの修行が終る日とされている。パンサとは梵語で雨季を意味する。カオは入る、または始まりを意味する。オークは出る、あるいは終わるという意味がある。だからカオ・パンサーは雨季入り、オーク・パンサは雨季明けの意味でもある。タイ男子は一生のうち、一度は出家することになっているが、7月の満月から10月の満月までの雨季の間にお寺に入る人が多い。雨で農作業がはかどらない、という理由もある。雨季明けのオーク・パンサには還俗した男衆が村に戻ってくるので、一段とおめでたい気分になる。

実は、さあこれから乾季だ、観光シーズンだ、と張り切って、10月初めに世界歴史遺産に登録されているスコタイの仏教遺跡見物に出かけた。ところが2日間、ずっと雨に降られてしまった。暦の上の乾季入りはあまり当てにならない。オーク・パンサの次の満月の日はローイ・クラトーン(日本でいう灯篭流し)という重要な宗教行事の日だ。やはり陰暦12月(新暦で10月終わりから11月初め)に行なわれるローイ・クラトーンが終らないと、本当の乾季にはならないようだ。