チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

北部タイの超豪華スパを満喫

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北部タイの超豪華スパを満喫

タイには一般の人とはかけ離れた階級の人がいる。また、海外からの観光客も格安航空券やパック旅行で来る人ばかりではない。そういったお金持ちを相手にする豪華施設がチェンライにもある。チェンライ県メーチャンにあるプーチャイサイ・マウンテン・リゾート・アンド・スパはそういった高級ホテルの一つだろう。チェンライ郊外の山の上にあり、眺望は最高、35室しかないがそれぞれ、朝日や夕日が眺められるテラス付きの山小屋風の造りとなっている。宿泊代は一泊一万バーツ。大学卒の初任給が7千バーツの国だから庶民が泊まれるところではない。

歴史のあるホテルではあるが、スパ(温浴施設を含んだリラクゼーション環境)ができたのは最近らしい。このリゾートの豪華タイマッサージを無料体験する機会に恵まれた。値段のことばかりで申し訳ないが、90分コースで2400バーツ。時折、今日は贅沢しよう、と温泉にはいったあと、タイマッサージにかかることがあるが、値段は1時間・100バーツである。2400バーツあれば24時間連続で揉んでもらえる。それほど高級ということだ。

どうしてこういった美味しい体験ができたか。それは2007年11月に調印された日タイ経済連携協定(JTEPA, Japan Thai Economic Partnership Agreement)に関係がある。この協定は主として、関税の撤廃、軽減を通して投資、貿易といった経済関係を発展させようというものだが、その中に、タイの介護士、スパセラピスト受け入れ可能性に付いて協議を継続、という項目があった。インドネシアからはすでに看護師を受け入れているが、それと同じように日本語ができる介護士をタイから日本に送り込む計画が進んでいる。また、協定にはロングステイヤー誘致のための投資についても緩和措置が盛り込まれている。

タイ保健省では、日本からのロングステイヤー誘致策の一環として、日本人向け介護施設の充実を考えている。タイで日本語を話す介護士による介護が受けられますというのがウリだ。すでに日本の大学、介護施設が保健省に協力を約束しているとのこと。また医療設備の充実を図り、タイマッサージをロングステイの目玉にしようと企画している。

先般、タイ保健省ではチェンライ商工会議所と共催で、ロングステイヤー誘致のため、チェンライに住む日本人ロングステイヤーの声を聞くという会議を開催した。初日はチェンライのワンカムホテルに、邦人約30名、タイ側関係者約130名が集まってロングステイビザ、医療サービス、介護設備の整備状況、あるいはスパ、マッサージに関して活発な議論が行なわれた。2日目の企画として、「最高級スパの無料体験」があり、これに参加したというわけだ。

下界を見下ろすサロンで特製ハーブティーを飲みながら、どういったコースにするかレセプショニストの女性と相談する。何年か前までJALのフライトアテンダントを勤めていたというすらりとした美人だ。自分はアロマティック・デトキシファイイング・マッサージを選んだ。「芳香・毒消し・按摩」と訳すのだろうか。マッサージに香油を使うのだがラベンダーやレモングラスなどいくつかのチョイスがある。

まずお嬢さんが足を暖かいレモン水で洗ってくれる。着衣を全部脱いで、不織布パンツ1枚となり、ベッドに横たわる。体中に砂粒が混じったようなクリームが塗られる。ザラザラ感が気持いい。粒胡椒入りバターを塗られた牛肉みたいだ。牛肉も気持いいのだろうかなどと考える。シャワーを浴びてサッパリしたところで、マッサージが始まる。タイ式、日本式指圧、ヨーロッパマッサージのミックスだという。足から手、腰と香油を塗り伸ばしながら、丁寧に丁寧に全身を揉み解してくれる。スローテンポのタイ音楽が低く流れ、周りはラベンダーの香りに包まれる。気が遠くなるように寝入ってしまうが、ツボを押されるとわずかに目覚める。夢かうつつかというのはこういった状態をいうのではないだろうか。

時折、お嬢さんが低い声で「カンファタブル?」と囁いてくれるが、あまりの心地よさに「ウウ、サバーイ(気持いい)」と答えるのがせいぜい。タイマッサージにはワットポー式とチェンマイ式の2つの流儀があるという。ワットポー式に比べてチェンマイ式は優しく、無理な力は加えない。このマッサージはチェンマイ式を主体にしたものだろう。夢の90分はあっという間に過ぎ、体がすっかり軽くなった。

高級マッサージを受けることが目的でタイにロングステイする、という人は少ないかもしれない。しかし、このマッサージをしてもらっているときの幸福感、終った後の満足感はなんとも表現のしようがない。よし、明日から一日10バーツずつ貯金して、一年に一回は来てみよう、という気になった。それだけの価値は充分にあると断言したい。