チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

海外生活に向かない人

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海外生活に向かない人

退職したら夫婦で海外旅行を、という人は多いが、実際に旅行に行く人は2割以下だろう。更に、海外でロングステイをしてみたいという人は多いと思うが、それを実行に移す人は海外旅行をする退職者の10%以下ではないだろうか。海外は嫌いだ、団体旅行でも外国には行きたくない、という人は結構多い。そういった人は自分でも海外生活に向かないと思っているのであろう。
何年か前の週刊ダイヤモンドに「海外ロングステイに向かない人は、こんな人」という記事があった。向かない人の条件10項目は以下の通り

●働かなくても得られる収入が、月10万円未満の人
●すぐ日本円に換算する人
●値切らない人

●日本と比較する人、現地の文化を生活に生かせない人
●行動しない人,おカネが万能だと思っている人
●趣味がない人、好奇心がない人

●外国人病院にこだわる人、医療保険にこだわる人
●宿泊施設のグレードにこだわる人
●肩書きや身なりで人を判断する人
●不動産所有にこだわる人

如何であろう。なるほど、と思う項目もあるが、どうかな?と思う項目もある。海外生活に精通しているわけではなく、チェンライでのロングステイ、いまだ5ヶ月足らずであるが、項目ごとにコメントしてみたい。

●働かなくても得られる収入が、月10万円未満の人
チェンマイ、チェンライに暮らすロングステイヤーのブログ、あるいは自分の周りの邦人を見ると月10万円以下で暮している人は結構多い。お金があるに越したことはないが、10万あれば何とか北タイで暮らせるのではないか。最低年金しかもらえない邦人はラオスに移り住む。ラオスはタイの5分の1の物価と言うから暮せないことはない。しかし、ただビザ切れを心配しながら異国で最低生活を営むだけ、という老後もどうかという気はする。

●すぐ日本円に換算する人
ドリアンが1キロ100円、マンゴスチンが1キロ50円、タイマッサージが1時間で280円、などとすぐ日本円に換算して「安い!」と喜んでいる。自分はロングステイに向いていないのか。仲間に聞くと1年もすれば35バーツのドリアンは高い、30バーツで、とバーツ感覚が出てくるそうだ。日本円に換算して一喜一憂するのは新参者ゆえ仕方のないことかもしれない。日本円に換算して喜ぶのはいいが、これが日本だったらもっと安くていいものが…と不平、不満を言い出すようではいけないという戒めであろう。

●値切らない人
大阪人はデパートに行っても「まからへんの」というそうだから、概ね関西人は大丈夫だろう。国によっては一物一価ではなく、相手によって値段が変わる。外人だと法外に吹っかける場合がある。複数の店で値段をチェックしたり、信用できる人に確認して「相場」を知ったうえで値切ることは必要だ。まあ、向こうだって今日は高く売れた、と嬉しいのかもしれないし、と鷹揚に構える人もいるが、これはせいぜい相場の2,3割高いところでの話。千円のものを5千円で買ってはまずい。ましてや異国で暮らすのであれば、現地の物価感覚を持つことは必須である。

ただ、値切ればいいというものでもない。露店の土産品を値切って値切って値切り倒すおばちゃん観光客がいた。安いに越したことはないが売り手の顔がこわばり、通訳が青ざめるような値切り方は品がない。5バーツ、10バーツまで値切る人に限って、平気で500バーツの昼食を取り、4星ホテルに泊まる。バランス感覚と多少、相手を思いやる惻隠の情が必要だ。

●日本と比較する人、現地の文化を生活に生かせない人
ウズベクにいたとき、何かというと「日本だったら」をまくらことばに、この国(の人)は遅れている、常識がない、約束を守らない、努力しない、だからこの国はだめなんだ、と怒りまくる人がいた。ここは外国です、日本ではない、もしウズベクが日本と同じようだったら、とっくに発展してODA援助やJICAの派遣など必要ない、逆に発展していないからこそあなたがここにいるでは?と言いたかったことがある。(もちろん言わなかった)

外国に住まわせてもらっている、という謙虚な気持があれば、その国の文化を相対的に眺めることができ、いいものは取り入れ、そうでないものは反発するのではなく、敬して遠ざけるという大人の態度が取れるようになるだろう。そのほうが心穏やかに、気持ちよく暮せるはずだ。
(続く)

画像はライチとカイ・モンクーン