チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

ナボイ劇場

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ナボイ劇場

国立「ボリショイ」バレエ・オペラ劇場は。1947年に完成した3階建て1500人収容の劇場だ。内装もすばらしく、6つの休憩ロビーは、タシケントサマルカンド、ブハラ、ホレズム、フェルガナ、テルメズの各地方のスタイルでレリーフが施されている。この劇場は、戦後タシケントに抑留されていた日本人の強制労働によって造られた建物のひとつである。「日本人が建てたこの劇場は、1967年の地震のときにもびくともしなかった」といって、やはり日本人はすごいの枕詞になっている。

ボリショイとはロシア語で「大きい」を意味する。だから、ボリショイ・サーカスは単に「大サーカス」、スパシーバ・ボリショイはホントにホントにありがとうといった感じ。また左翼の方にはおなじみのボルシェビーキは「多数派」の意味だ。

さて、ナボイ劇場では夏季と月曜を除き、バレエかオペラが上演されている。一時はナボイに週5日通ったこともある。こういったことを書くと、税金でウズベクにいっているのに遊んでばかりいて、と非難される人もいるかもしれない。

でも高くなったとはいえ、フィガロの結婚、トスカ、愛の妙薬、イオランタ、オテロカルメン、マダム・バタフライ、道化師などのオペラ、白鳥の湖、眠れる森の美女、ジゼル、ロミオとジュリエットなどのバレエの名作がわずか3000スム(現在価格で270円)で鑑賞することができる。

晩飯に飲む缶ビール2缶分の価格だ。その価格で、曲がりなりにもオーケストラの生演奏でテノールやソプラノのアリアが聞け、妙齢の美女が目の前で跳んだり、跳ねたりしてくれる。これをタシケントで楽しまずに何を楽しめと言うのか。

言い訳がましいが週5日行った時は、やたらに停電が多く、それも午後4時過ぎに停電になる。テレビも見るとことができないし、パソコンも何時バッテリーが切れるかわからない、5時20分までに電気が回復しなければ、ナボイに行って時間を過ごそう、といった日が続いたときだったと思う。

建設されて60年たつ劇場ではあるが、ウズベクと日本が国交を持ってからODAの文化無償協力制度による資金が入り、音響、証明設備などが新しくなった。また内装もリニューアルされて見た目には重厚かつ壮麗な劇場となっている。シーズンには観光客の団体が入って、写真を取り捲っている。

独立前は芸術を愛するロシア人の客でいつも館内は一杯だったと言うが、今ではカルメン白鳥の湖などのポピュラーな演目以外では空席が目立つ。開演5分前に駆けつけても前列4,5番目のいい席が残っている。

先日、ヴェルディの仮面舞踏会というオペラを見に行った。顔見知りの商社の奥さんと隣り合わせになった。なかなか始まらないわね、どうしたんでしょ、などと話していたら幕から変なおじいさんがでてきてなにやら言っている。奥さんの通訳によるとソリストが一人、病気で劇場にこられないので、本日は中止とのこと。異常に観客が少なかったから、今日はやめようということになったのではないか。

270円とはいえ、切符は払い戻してくれるのか。切符売り場のおばさんに聞いてみると、当日券を見せれば、他の日のバレエ、オペラにいけるという。それでは日曜のカルメンに替えて、と切符を差し出したがカルメンの日付を書き込んだだけで、大丈夫、大丈夫、という。でもこのウズベクの大丈夫に何度泣かされてきたことか・・・

日曜、テニスを少し早く切り上げてナボイへ。席案内のおばさんに切符を見せると、4-16、切符に書かれている席に着けという。座っているとウズベク人夫婦がやってきて、そこは俺たちの席だからどけと言う。おばさんに文句。すると最前列中央の席に案内された。前回の商社の奥さんも一緒。やれやれと思っていたら、ここにも朝鮮系の夫婦がやってきてその席は私たちの・・・・。またおばさんに文句。まさに「彷徨える日本人」だ。

結局3列目中央に座ったが幸いここにはどけと言う人は現われなかった。

今回は、いろいろ混乱はあるが、最後は納まるところに納まるという典型的ウズベク式問題解決法をご紹介した。