チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

ラジオ出演

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ラジオ出演

ラジオのニュース番組にでませんか、とナフォサットが言う。ウズベキタン・ラジオ・ステーションのOkshom tulkinlari, News analyticという番組、火曜20時から21時のゴールデンタイムである。内容はウズベクベンチャー論を教える外人教師紹介といったものだそうだ。

でも自分はすぐ思いついたことをあとさき考えずに喋って、あとで後悔したり、人に迷惑をかけたりする。それにラジオ、テレビ出演に当たってはJICSAの許可が要るし・・・・などと口を濁した。人間が正直すぎるからついホンネを喋ってしまって、その結果ウズベク人の不興を買い、ひいてはウ国在住邦人が片身の狭い思いをしないとも限らない。

すると、ナフォサットが、私がインタビューアーですし、録音ですから言いなおせます、といたずらっぽく笑う。ジャーナリズム専攻の修士号を持つ彼女は放送界に顔が広い。分かった。JICAに聞いてみる、二人で何を話すかを考えよう。ウズベク語の内容については君を信用するよ、と結局承諾してしまった。

SVや隊員がブログによる情報発信、新聞、雑誌への寄稿、あるいはテレビ、ラジオ、フォーラムに出演する場合は原則としてJICAの事前許可が要る。これはもちろん、JICAやODAの目的、あるいは赴任国への誹謗、中傷などの問題発言、情報発信をあらかじめ防止するためである。

以前、ナボイ市のサルミッシュ渓谷にいったとき、思いがけずナボイテレビのレポーターに、サルミッシュ渓谷の岩絵と日本について、とか変なインタビューを受け、それが地方のテレビに3分くらい流れたことがある。(ホテルでその場面を見たがとても変な感じだった)JICAの了解も得ずに気軽にテレビ出演してしまっていけなかったのではないか、と事後にJICAに報告したところ、「ああ、中西さんでしたら大丈夫でしょう、構いませんよ、でも以後、できたら事前了解を・・・」ということを聞きほっとした。

SVや隊員の中には、こいつをマスコミに出すと何を喋るかわからん、という危険人物がいるのかもしれない。会社にも、コイツはとても客の前に出せんのう、という、場面も考えずに激昂し、何かというとキレてしまうエキセントリックな人がいたものだ。JICAにも性格円満と思われているようで、もちろんラジオ出演の事前許可について問題はなかった。

当日、ラジオ局から借りてきたテープレコーダーと共にナフォサットが研究室に現われた。10分ほど質問内容について打ち合わせ。10分くらい質疑応答をするが、放送されるのは3分、それも自分の声にナフォサットのウズベク語が重なるらしい。

Q.この国での目的はなんですか。
A. いわゆる中小企業論とは少し異なるベンチャー論をバンク・カレッジの生徒に教えるためです。ベンチャーイノベーション、高収益と言った言葉に代表される成長の早い企業です。ベンチャーは新しい価値を市場に提供し、また市場を創造していきます。そういったベンチャーを起こした人のミッション、ビジョンを通して、この国の若い人に勇気を上げたいと思っています。

Q. 成果はありましたか。
A. 自動車修理、野菜栽培などの技術移転可能な領域と違って経営学ベンチャー論などの社会科学はその成果がすぐ眼に見えるものではありません。私は、生徒には決して起業してはいけない、と言っています。ビジネス経験も、信用も、資金も無い若い人が起業しても失敗する確率が高いからです。まず実業に就き、ビジネスの土地勘をつけ信用を築き、ある程度の資金ができたところで起業しても遅くはないのです。

Q. この国の将来をどう見ますか。
A. ウズベクは資源の国です。ウラニウム、ガス、石油、原棉・・・しかし資源の中で一番重要なものは人的資源です。ウズベクは若い国です。若い人は積極的で笑顔を忘れません。また頭脳も素晴らしい。そういった資源を活用していけばこの国の将来は輝かしいものになるのではないでしょうか・・・・・

ちょっと形式的すぎたかなあ、と言いながらナフォサットとテープを聞き直してみた。アー、とかウーとか言いながら話している。我ながら恥ずかしい。

発言内容が体制寄りだったせいかディレクターから絶賛を浴び、即日放送となったとのこと。早速、第2弾としてJICAの看護隊員の出演が決まった。彼女はウズ語が堪能なので、局に出向いて生出演するらしい。日本の援助活動がウズベクの人にいくらかでも理解してもらえれば、と願っている。

画像は録音機のセッティング