チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

朝プロフ

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朝プロフ

棉つみツアーは起業とは違うけれどもビジネスの本質を含んでいる。これを題材に1時間授業してみた。

いわく、プランした側(生徒)も参加した側(日本人)も楽しかった。売り手も買い手も双方がハッピーになるのが長続きするビジネスの基本である。また、自分はマーケットの存在と顧客へのコンタクト方法は知っていたが、どこの棉畑に行けばいいか、どうやってバスをチャーターするか、昼食の用意などについて何も知らなかった。綿つみのようなたった1日の企画でも一人ではすべてを行うことはできない。いろいろな人の共同作業が必要だ。起業でも自分の不得意分野をカバーしてくれるパートナーが必要となる。例えばアップルのスティーブ・ジョブスにはパソコンオタクのスティーブ・ウォズアニックというパートナーがいた。(棉つみとアップルコンピュータを同列に扱うのは余りにも飛躍があるが・・・)等々。

最後に、最後だからと言って重要度が低いわけではないが、棉つみ企画で赤字を出さなかった、それどころがいくらか黒字になったということをご報告したい。その利益金でMA 2クラス全員にラマダン明けのお祝いを買いました。今朝、ナフォサットがみんなのためにチョルスバザールで買ってきてくれました、と言って、チョコレート(男子)の紙袋と小物入れの小箱(女子のみ)を机の上におく。歓声が上がり拍手がおこる。級長のラチポバも嬉しそうだ。
このクラスは優秀クラスに比べて、沈滞して暗い感じだったが本当に明るく、積極的になってきた。こうした小さい成功体験を積み重ねていけば、きっと何かのときの自信につながるだろう。問題が全然なかったとは言わないが、立派に棉つみツアーをやってくれた。自分としてはこのMA 2クラスを本当に誇りに思う。

棉つみツアーの参加費は一人12000スム(1,200円)、生徒は無料、もちろん日本人から徴収した額だけですべてをまかなった。実は参加者各位には会計報告をしていない。なぜかと言うと収入、支出の会計報告をインターネットで流した場合、それがウズベク当局のセンサーに引っかかり、突然、税務署に踏み込まれることがあるからだ。利益ではなく、総収入に対して課税されるので、ばかにならない。そんなバカな、という向きもあろうが、この国では充分おこりうる話だ。

ツアー実行で中心的役割を果たしたアディロバが、棉つみに参加した日本人の皆さんをラマダン明けのお祝いにご招待したい言ってきた。クラスのみんなも呼びます、という。

どんなに広い家か分からないが、全員で押しかけては迷惑だろう、と早い者勝ちで数名の参加者を募ったところ、隊員を中心に8名の参加希望者を集めることができた。

「大使館のSさんは来てくれるでしょうか」とアディロバが心配していましたよ、とナフォサットが笑いながら教えてくれた。そういえばバスの中でアディロバとSさんが、なにか言葉を交わしていたのを思い出した。Sさんはロシア留学を終えて、今年、駐ウズベク日本大使館に赴任してきた若手外交官だ。25歳のイケメン青年である。18歳のウズベク少女にとっては憧れの対象と言ってもいいだろう。

次の授業のあと、アディロバに8名でお邪魔する旨を伝える。そのときついつい「アディロバ、ミスターSが好きなんだろ?」とおじさん質問をしてしまった。すると彼女はにっこりと笑って頷いた。恥ずかしがるという風もない本当に自然な微笑だった。若い人はいいなあ、と心から思ったものだ。

土曜の10時過ぎ、ケレス・アクマルという3千人ほどのマハッラにあるアディロバの家に行った。チョルスバザールからミニバスで20分ほどの距離だ。20人ほど座れる座卓に果物やナッツ、お菓子が用意されていた。クラスメートも集まってきた。サラダ、ラグマン、そしてプロフが次々とでてくる。なかなかの味である。油っこいプロフに、漬物の大根、キュウリの酸味がよく合う。プロフのお代わりをする人もいた。隊員やナフォサットの通訳で結構宴会は盛り上がる。お酒も出ないのにどうしてこんなに楽しいのか、と思うくらいだ。

Sさんのところにアディロバが行くのかと思ったが、アディロバは招待者としてお姉さんや女子生徒と一緒に料理運びで忙しくそれどころではなかった。後で聞くと彼女は棉つみツアーの昼食の段取りが悪かったことを非常に気にしていて、そのお詫びの気持ちもあって我々を招待したのだと言う。そんなことちっとも気にしていなかったのに・・・・
少女の心の痛みも知らず、冷やかしたりして悪かった。

いいんだよ、とにかくみんなが楽しいことが一番だ。棉つみも、そしてご招待の朝プロフも。