チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

スポーツ事情

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タシケントスポーツ事情

タシケントソビエト時代の都市計画の名残りで、広くて緑豊かな公園が市内に散在している。
また、大きくはないが市内には川が流れている。川の両側は美しい街路樹がどこまでも続く散歩道になっている。こういったところを歩いたり、バスから眺めたりしていて気がつくことがある。日本やアメリカだった必ずいるはずのランナーがいないのだ。日本の川岸ではよく見かける夫婦でウオーキングというカップルもいない。公園で散歩を楽しんでいるような人もあまり見かけない。

時折、オペラやバレーを楽しむためにナボイ劇場へ行く。地下鉄ナフタコール駅からナボイ劇場まで15分ほど林の中を歩いていくことになる。林の中にはレストランや噴水があり、ふたかかえもある大木や背丈ほどに刈り込まれた桑の古木など、変化に富んだ美しい場所だ。秋には枯葉が歩道を埋め尽くした。黄葉を通して暖かい陽がこぼれて、おお、今は異国にいるのだと、いくらか心が高揚したものだった。

先日も冬としては汗ばむほどの天気の中、ここを歩いたのであるが、ベンチに何組かカップルが座って、なにやら楽しそうに話しているくらいで、ほとんど人がいない。

日本だったらこういった気分のいい広場でボール投げをしたり、ジョギングしている人がいるはずだ。40度を越える夏季はともかく、このような気持ちのいい日になぜ皆、運動しないのだろう。

ジョギングに限らず、街中や公園で運動をしている人を見たことがない。ラジオ体操や太極拳などもってのほかだ。

通勤途中にタシケント工科大学という6学部、学生数1万人という大学がある。日本であればこういったマンモス大学の周辺では柔道着やそろいのジャージの集団が、「イチニ、イチニ、ファイトー」などと掛け声をかけながらわっさかわっさか走り回っているはずであるが、ランニングの集団を一度もみたことがない。駆け足をしてはいけないという大統領命令でも出ているのだろうか?

いろいろ聞いてみると、イスラムの影響で、人目のつくところで走るというようなはしたないことは良家の子女はしないのだそうだ。また普通の人は仕事で疲れきっているので、あえて走ることなどするはずがないとのこと。でも、日本では仕事に疲れているから気分転換にジョギングやウオーキングを楽しんで、健康維持につとめるのだが・・・
運動をウズベク人は全然しないのか、というとそうでもない。ステータスシンボルとして、ジムに通って体を鍛える、という人はいるらしい。スポーツができるのは金持ちの証拠である。

タシケントから2時間ほどチムガン山のほうへ走ると有名なスキー場があり、終日満杯の盛況だという。ロシア人、外人が多いがウズベク人も最近増えている。予算はスキー道具のレンタル、宿泊費、交通費などすべて込みで1日100ドル見当とのこと。

やはりスポーツを楽しむにはそれなりの収入が、またジョギングやウオーキングがポピュラーになるのにはある程度のゆとりが必要なのだろう。

こちらの人は金持ちに限らず肥満の人が多い。今日もバスの中で、人から手助けしてもらわないと席に座ったり立ったりできないほど太っているおばさんがいた。日本でいう太っているとかの範疇ではなく、ビヤ樽に手足みたいな太り方だ。メタボリック・シンドロームが服を着て歩いている風情である。食べるものが綿実油のプロフと焼肉シャシリークばかりという話もあるが、体を動かさない、運動しないということも肥満原因の一つだ。
この国の男性の平均寿命は58,5才と60まで届いていない。国民の多くがウィンタースポーツを楽しめるようになるまでにはもう少し時間がかかるかもしれないが、公園の風景を楽しみながら早足で歩く、それくらいのゆとりと健康管理意識を持てないものだろうか。

いつか「タシケント市民国際マラソン」が開かれ、市内を何万という人が走る日が来るかもしれない。でもその日まで自分が生きていることはなさそうだ。