チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

ホテル事情

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JICAでの研修期間中、3週間ほどはホテル住まいとなる。その間に住居を見つけてホテルを引き払うことになるのだが、1つのホテルにこれだけ長い期間泊まったことは無い。

我々の泊まっているホテルはポイタフトホテルである。ウズベク語でポイタフトとは首都という意味だそうだ。それほど値段は高くないホテルだがダブルベッド、応接セット付きの広い部屋である。天井は高くバスタブの部屋まで大理石でできている。ロシア風の仰々しさを感じさせるホテルだ。ホテル内に複数のレストランやバーがある。レストランのひとつに「美都里」というコリアン・ジャパニーズ・レストランがある。ここで夕食をとった人の話では鍋焼きうどん6000スム(600円)を頼んだら、キムチや餅、カクテギなどの焼肉用の付け出しがずらりと並べられ、食欲が無く手をつけずにいたら、いくらたっても鍋焼きうどんが出てこなかったそうだ。コリアン・ジャパニーズ・レストランがあるなら、タシケントのどこかにフレンチ・ジャーマン・レストランがあるかもしれない。

エレベーターがあるが乗り込むとき注意しないと日本の地下鉄並みにドアにはさまれてしまう。また4階建てにもかかわらず、階数を示すボタンが9階まである。9階まで建築する予定が4階で打ち止めになったのだろうか。5階以上を押すとどうなるのだろうか。ある隊員は押してみたいとは思うが、何が起こるかわからないので・・・・と言葉を濁していた。

ビジネスセンターには日本語も打てるPCが6台ある。1時間1ドルで借りられるが、メールを送信しているときに突然回線が切れてしまうことがある。特に朝9時前後の回線ラッシュアワーにはこういう状態になることが多い。

バスのお湯は5分ほど水を流し続けているとだんだん熱いお湯が出てくる。しかし、10分出し続けても温水が出てこない日もあった。

朝はビュッフェスタイルの朝食となる。食堂にはウェイトレスが3名常駐している。これがいずれ劣らぬ美女ぞろい、20歳前後であろうか、栗色の髪、ばら色の頬でスタイルは抜群。オジサンは、はじめ「ホー、ホー、これは、これは。」と喜んでいたのだが、やはり社会主義国の残滓を色濃く残している国のせいか、いつも入り口付近に3人固まっておしゃべりをしている。客が入っていっても席に誘導してくれるようなことは無い。また欧米やアジアのホテルではテーブルへサーバーを持ってきて「コーフィー、オア、ティー?」と聞いて希望の飲み物を注いでくれるのだが、そういったサービスは一切無い。

客は食堂中央のビュッフェのところにある魔法瓶のところに行き、自分で飲み物を入れる。魔法瓶の上部を押して、コーヒーまたは紅茶、日によっては緑茶(日本の緑茶とは似て非なるものではあるが、ロシア語では黒いチャイ、つまり紅茶に対して緑のチャイという)を出す。ところがこの魔法瓶は相当に力を入れ、また何度も押さないと、カップにお茶が一杯にならない。朝食のときに手首の筋肉トレーニングができるようになっている。3週間もこの運動を繰り返すとかなり握力と二の腕に筋肉がつくものと思われる。またどの魔法瓶に何が入っているのかカップに入れてみるまでわからない。これを朝のロシアンルーレットと呼んでいる。

ジュースはオレンジジュース、りんごジュース、チェリージュース、マンゴージュース、トマトジュースが出るが、そのうち2種類しか出ない。ジュースが無くなって、ジュースが無いんですが、と客が頼んでも「すみません、すぐお持ちします。」などとは決していわない。頼んだ客があきらめたころ紙パックのジュースをガラスのポットに移しかえにくる。時にはジュースが無い日もある。ジュースを持ってきてほしいと頼んだ人にだけ、どこからかコップに入れたオレンジジュースを運んでくる。

ビュッフェスタイルだからサラダとスクランブルドエッグくらいは常備して切れないようにしてほしいが、無くなっても追加が来るまでに多少の時間がかかる。ウェイトレスのお姉さん方は食べ物をチェックして、なくなりそうだと思ったら追加をすぐに炊事場のほうへ連絡するといった業務はしていないようだ。またいくら待っても追加がこないときもある。ビュッフェが用意された直後、早い時間に行ったらなんでもお好みのものが用意されていると思われるかもしれない。しかし朝7時からビュッフェが開くのに7時半に行ってもテーブルが完全にセットされておらず、食べるものがそろっていないこともある。輸入物のネーブルがデザートのフルーツとしてりんごやみかんと一緒に並べられることもあるが、運のいい人だけがネーブルをゲットできる。われわれの仲間でもネーブルなんてまだ食べていませんという人もいる。ただ食べ終わった皿やまだ食べ残しのある皿をさっと持ちさっていくのは実に早い。


というわけでタイミングに恵まれた人が好きなものを食べられるという幸運に恵まれる。風呂のお湯は大丈夫だろうか、朝、ネーブルはあるだろうか、パソコンはちゃんと繋がるだろうかとスリリングで退屈しない生活をおくることが出来るホテルである。


タシケント中西英樹