





今年も暮れる
■歳末感はまるでなし
12月は乾季で朝は20度以下に気温が下がるが、日中は27-28度に上昇するので短パン、Tシャツで過ごしている。この格好は一年を通して変わらない。日本の12月といえば木枯らしが吹き、街にはクリスマスソングが流れ、手帳は忘年会の予定で一杯、何かと気忙しい日々を思い出す。でもこれは昭和の風景で、今の若い人は忘年会という不健康かつ浪費を伴う催し事には参加しないし、ましてや自ら呑み会の企画するなんてとんでもないと思っているのかもしれない。
十年以上前はチェンライ日本人会にも忘年会があった。レストランの一角を借り切って、平均70歳以上のご同輩が和気藹々と今年も無事過ぎる、来年もよろしくと杯を重ねていたものだ。どうして忘年会が開かれなくなったのかわからない。酒が飲めないロングステイヤーは少なくない。少数意見尊重の時代風潮か。
忘年会はないが、飲みたい人は自費でビールを購入という「餅つき会」が年末に開かれた。例年、正月用の餅はこの餅つき会で入手する。これが自分の年末行事である。ここはタイ、厳しい取締りは無いからビールくらい、と思うこともあるが、会場へは車で来ている。日本なら酒気帯び運転、3年以下の懲役、または50万円以下の罰金となる。
グラブでタクシーを呼べないことはないが、それまでして呑むのもなー、という感じだ。
■ 暮、正月の読書
社会人の頃、年末になると大きな本屋に行って暮れ、正月の休みに読む本を買ったものだ。例年、買う本の傾向が決まっていた。日下公人、長谷川慶太郎、渡部昇一、谷沢永一各氏の、日本は大丈夫、19xx年日本経済は大躍進といった元気の出る本が中心。目についた著書を適当に選ぶ。費用は1万円以内。7,8冊は買えたのだろう。暮から正月にかけてこういった保守的な評論家の本を読んで日本の明るい未来に思いを馳せた。「19xx年長谷川慶太郎の世界はこう変わる」のシリーズは毎年買っていたと思う。
これらの本は日本人の文化、伝統、歴史を踏まえ、日本は沈没しないどころか、日本が世界をリードする、中国は必ず崩壊するという視点で共通していた。
上記4氏のうち、日下公人さんだけが現在、ご存命中である。1930年生まれだから御年95歳、ボクの言うとおりになったでしょ、と言われているかもしれない。もう50年も前から日下さんは「日本文化が世界をリードする」と予言していた。その時、ある東大教授から「日本は白人国家でもキリスト教国家でもないから、日本文化が世界をリードするなどありえない」と酷評する手紙を貰ったそうである。でも2025年、アニメ、和食に憧れて世界から4千万人の観光客が日本に押し寄せるようになった。ワンピース、鬼滅の刃など日本のマンガ文化は世界を魅了している。日下さんの予言は当たったと言えるのではないか。
日本財団の勉強会に参加したことがある。中国経済専門の女性助教授が十数人の参加者の前で講演した。講演後、日下さんが「国営企業の倒産とはどういうものですか」と鋭い質問したことをよく覚えている。
■和食は世界文化遺産
このところMomoka Channelという動画をよく見ている。訪日した外国人に和食を食べてもらってその様子を紹介するというもの。何故、日本へ?という質問には日本文化、アニメに憧れて、という返答が少なくない。和食も世界遺産になっているように日本の文化の一つだが、多くの外人はオニギリ、ラーメンばかりで本当の和食を知らない。でもMomokaちゃんが勧める出汁巻き卵、刺身、茶碗蒸し、牛筋煮込み、煮魚、焼き魚、唐揚、メンチカツ、和牛、鰻、海鮮ご飯など彼らが初めて食べる和食には言葉が出てこない。和食を自国で食した経験を持つ人も多い。でも一様に彼らは全然味が違うという。まずお米がこんなに美味しいなんてと吃驚する。自分もタイで「日本米」を食しているが帰国してつくづく思うのは日本で食べる米飯は別格ということである。
和食を食べるために再来日決定という人もいる。彼らが瞠目する料理は自分が子供の頃から慣れ親しんだものばかりだ。お袋が台所で全部作ってくれたよー、と思う。外国人が感動する和食をずっと食べてきたのだから、人生、勝ち組と言っていいのではないか。日本で生まれ育った日本人は食事だけとっても世界の勝ち組だ。
ところで、これだけは食べたいと思ってまたタイに来ました、というタイ料理はあるかしら、と考え込んでしまった。忘年会の企画を立てるに二の足を踏むのはムーピン(豚)とガイヤーン(焼き鳥)くらい、飲食の喜びが日本のそれより格段に少ないからかもしれない。
今年も押し迫ってまいりました。年末年始、1週間のお休みをいただきまして、新年は1月5日よりブログアップいたします。今年もいろいろとお世話になりました。来る年が皆様にとってよき年となりますよう心からお祈りいたしております。