


手前がラジエター エンジンには降り注いだ熱湯のあとが残る。

新品なので色が違う


ラジエター交換
■熱湯噴出
先日、ブアさんを乗せて銀行へ行く途中、カリビアン(スズキのジムニー)の冷却水の温度が異常に高いことに気付いた。この日は友人宅を往復したが距離にして10キロほど、冷却水が不足するほど走っていない。修理屋のチャンシーさんには、朝、必ずラジエターのキャップを外し、冷却水が足りなければ補充するようにと言われていた。今朝も水は満タンにした。
道路際に車を停めて、エンジンルームを見る。この時、すぐにはラジエターのキャップは開けない。蒸気が噴出してヤケドをする危険性があるからだ。5分くらい経ったのでタオルを被せてキャップを緩めた。シューと蒸気が出てくる音がする。まだ危ない。2,3分してもういいかと思ってキャップを緩めた。その途端、水蒸気と熱湯が高さ3メートルまで吹き上げた。ブアさんの驚くまいことか。自分も驚いた。車から2メートルほど先に転がっていたキャップを拾い上げる。
エンジンルームには常時、1.5Lのポリ瓶を入れてある。その水をラジエターに注ぐ。足りない。車内にあった飲料水を2本追加したが、ラジエター一杯にはならない。
空港バイパスを1号線に抜ける片側3車線道路だが、工場や事務所はちと先にある。水を貰いに行こうか。すると汚いトラックがカリビの前に停まった。ドライバーのあんちゃんがエンジンルームを覗き込んで冷却水を入れれば大丈夫、と言って彼の手持ちのポリ瓶を1本くれた。親切な人だ。ブアさんに言われるまま100Bを差し出すと、ボトル1本だけでは悪いと思ったのか、100メートルほど先にある事務所まで牽引してくれた。
事務所でホースを借りてやっとラジエターを満水にすることができた。エンジンオイルは変質していなかったので、何事もなかったように車を走らせた。
■36年落ち
カリビアンは1989年製と車検証に書いてある。36年落ちの車だ。日本ならもうどこかの山の中で朽ち果てていてもおかしくない。事実、運転席のドアが錆びて穴が開いていたがコロナの時預かってくれた友人がドアごと取り換えてくれた。
冷房は2011年に購入した時からすでに壊れていた。ラジオや時計も壊れて久しい。カセットテープの差込口があるが、今時カセットで音楽を聴く人はいない。煙草の火をつけるシガーソケットも付いているが熱くはならない。
クーラーやラジオは無くても走行するには問題ない。でもブレーキやエンジン、ラジエーターが不調となれば話は別だ。お妾さんと中古車はお金がかかるという。お妾さんはもったことがないのでわからないがカリビにはかなりの金額をつぎ込んだ。何年か前、アカ族のブランコ祭りを見に行った帰り、エンジンが焼き付いて修理工場手前100Mで動かなくなった。この時はエンジンを乗せ換えた。他にも部品交換をしており、人間でいえば心臓、肝臓、腎臓の移植済みというところだ。
数カ月前、エンジンが不調になり、LPGに代えてガソリンで走ろうとしたが駄目、ラジエターに水を足したがラジエターからの水漏れで車の下は水浸し。駆けつけてくれたチャンシーさんはエンジンが焼き付いているかも。またエンジン取り換えかなあ、と言っていたが、洗浄だけでエンジン交換は避けられた。でもこれ以降、冷却水補充が日課となった。
■取り替え修理で安心
銀行の駐車場で冷却水を確認してみると、冷却水がない。慌てて銀行のトイレで汲んだ水をラジエターに補充する。よく見るとラジエターから水滴がポタリポタリと落ちている。これはダメだ。銀行から修理工場へ直行。
かなり重症だったようで1週間ほどしてカリビが戻ってきた。エンジンルームを見るとラジエターだけがピカピカしている。新品と取り換えたようだ。修理費は関連部品込みで日本円にして1万5千円程、高いのか安いのかわからないが、これでしばらく安心して乗れると思うと嬉しい。もうチェンマイ往復も問題ないよ、とチャンシーさんは太鼓判を押してくれた。ここ数カ月、ラジエターに不安があり、運動場や市場の往復など一回につき20キロ以内、すぐにチャンシーさんが駆けつけてくれる距離内しか乗っていなかった。
ラジエター交換後、心なしかエンジンの調子もよくなったように感じる。これならばメコン河やアカ族の村にも充分行ける。と思うのだが、水蒸気、熱水噴出を目撃したブアさんからは、とんでもない、カリビは人間の年で言ったら90歳以上のポンコツ車、あなただってもう年寄りなのだから、と釘を刺されている。
ブアさんの言うことを聞いて家に閉じこもっていれば故障や事故にあわないとは思うけれど。