チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

老人性鬱

サンサーイ市場

オクラ一皿10B 安い

植木も売っている

竹虫、バター味で美味しい

バナナは一房100円以下



 



老人性鬱

■ムリをしているのでは

雨季ではあるが朝、雨が降っていなければコートに行く。早い人は7時過ぎに来てダブルスのゲームを始めている。市営運動場には9面コートがある。ダブルスを横目に見ながら隣のコートでサーブ練習を始める。10分もしないうちに仲間がやってくるので二人でラリー、あと二人やってくればダブルス、6ゲーム先取のセットを始める。2セットやると9時過ぎになる。9時を過ぎると気温が上がってくるし、湿度が高いため短パンもTシャツもびっしょりになる。頼まれれば3セットやることもあったが、年寄りに無理は禁物、3人残っていて自分がやればダブルスができるという場合でも心を鬼にして「もう帰る」。いつの間にかコートでは最長老となってしまった。コートを去った先輩を思い起こすと75歳を過ぎたころから足が動かなくなり、ミスが多くなる。自分でも衰えがわかるから静かに身を引くといったパターンが多かったように思う。

自分も仲間に同情されながらプレーを続けるようなことはしたくない。引き際はきれいにしたいと思っている。でもボールを拾って駆け足でコートに戻るとき、「斎藤実盛じゃあるまいし、カッコつけて駆け足をしなくても」と考えたりする。

斎藤実盛平家物語に出てくる老武将、常々、『戦場へ向かう時は、髪も、ひげも黒く染めて、若々しく装おうと思う。なぜなら、わしは、幾つになっても、若者と対等に競って先駆けをしたいのだ。そんなことを白髪頭ですると、大人げないではないか。
また、わしは、老人扱いされ、人から侮られるのは悔しくて我慢ができない。だから、常に若々しくして出陣するのだ』。

自分は実盛(享年72歳)より長生きしている。若い人と競う気持ちはないし、老人扱いされ、人から侮られるのは仕方のないことと受け入れる用意はできているのだが、その老いをどの時点で自覚できるかどうかが問題だ。

 

■体と気力の衰え

テニスが日課と言っていい生活である。気の置けない仲間とのプレーは楽しいし、何よりも運動は気持ちがいい。動画では適度の運動は、バランスの良い食事、十分な睡眠と合わせて健康の源と言っている。若い人は健康だから残業、深酒、徹夜をしても休めばすぐに回復する。自分だって昭和の御代を、24時間戦えますか(1988)、 全力で行く。リゲインで行く(1992) くやしいけれど、仕事が好き(1994)というCMとともに生き抜いた世代だ。でもリゲインのキャッチコピーは平成の終わりごろにはこう変わった。「3、4時間戦えますか(2014年)」。ネットでは20年で20時間の時短に成功したと報告されている。

3,4時間どころか、自分のテニスは体力的に1時間戦えるかどうかとなっている。10年前は毎日張り切ってコートに出かけていたが、最近は雨の日は行かなくていいと嬉しくなるし、週5日連続出勤となると億劫な気持ちが湧いてくる。他にすることないのかな、こんな毎日でいいのかな。膝、腰の痛みで歩行も覚束ないご同輩がいる中でスタスタ歩けるだけでもいいじゃないか、と自分に言い聞かせるのだが心は晴れない。

 

■老人性鬱

日常にマンネリ感が漂ってくると旅に出たくなる。以前はチェンマイ、トードタイ、ランパーンなど1,2泊の小旅行が多かったが、今年、春節に北タイ国境の旅5日、40日余の南シナ海アンダマン海の旅、2週間のクラビ、ピピ島旅行と比較的長期の旅が多かった。それなりに楽しかったし、これまで知らなかったことを学んだりと有益であったと思うが、ブログの本数はそれほど多いわけではない。好奇心とか感受性が鈍ったのだろうか。旅が続いたせいもあるが再録記事も多い。やる気が薄れたか。

実は9月に歯の治療を兼ねて一時帰国するのだが、気が重い。何か忘れてはいないかと焦燥感にかられる。最近食欲がないし、眠りが浅いように思って気分が落ち込む。帰国すれば美味しいものが食べられると自身を鼓舞するのだが元気が出ない。

これは老人性鬱の始まりかも。人との信頼関係を必要としてこなかった人は老年期に孤立しやすく、うつ病にかかるリスクが高くなるという。一人暮らしの自分はリスクが高い。

認知症の妄想は、誰かに自分のものを盗まれたと思う「もの盗られ妄想」が主体だが、老人性鬱では、病気だと思い込む「心気妄想」、罪を犯したと思い込む「罪業妄想」、
お金がない、破産したと思い込む「貧困妄想」といった妄想が特徴だという。自分は「罪業妄想」があると思う。気づかずに人を傷つける言動があったのではないか、後悔しても遅いが皆さん、申し訳ありません。

「貧困妄想」は妄想か現実か区別がつかない。もう立派な老人性鬱だと思う。