






クラビのサルで想い出したこと
■サルを見るならライレイビーチ
クラビのアオナンビーチにもいるそうだが、サルが好きな人はアオナンから舟で10分、陸の突端、ライレイビーチに行けばサルに会える可能性は高くなる。ライレイにはカニクイザルとダスキールトンの2種類のサルがいる。カニクイはワルで、ホテルの部屋を荒らしたり、歩行者の食べ物を搔っ攫う。ダスキールトンはおとなしい性格で食べ物をみても取りにこないし、人間が過度に近づくと逃げるそうだ。
ライレイではカニクイザルをホテルの敷地内やビーチに向かう道で見かけた。あまり人を怖がる様子もない。ポテトチップの袋の中に手を突っ込んで食べていたが、多分観光客から奪ったものだろう。
タイにはクラビに限らず、主だった観光地区にはサルがいる。サルが観光の目玉になっているのだが、増え過ぎに対し、政府や地元自治体ではサルを捕獲して不妊手術を行うなどの対策を取っている。
以下は2024年11月18日現地紙から
「警察署まで襲撃」サルがあふれる都心…一時は二つに分かれて争ったりも
バンコック・ポスト、カオソットなど現地メディアによると、16日夜、中部ロッブリー県のある動物保護所でサル約200匹が檻を離れて逃げた。サルは街を徘徊し、周辺の民家や警察署などに入った。このサルは当初、個体数を減らすために集団捕獲され、動物保護所に収容されたが、設置されて5~6年が過ぎて古くなった檻を激しく振って隙間を作った後に抜け出た。脱出したサルのほとんどは遠くへ行かず、近くで餌や水を探していることが分かった。日曜日ごとにサルに新鮮な野菜と果物を提供する近くのあるお寺で、前日食べ物を用意してサルたちを呼ぶと、約40匹がお寺に来て捕まり檻に戻ってきた。また、他のサルも近くで餌を探していたが、檻に戻り、今まで約60匹が再び捕獲された。市当局は、保護所の壊れた檻を修理し、猿を捕まえるためにさまざまな場所に食べ物が入った罠を設置している。
国立公園・野生動植物保護局は逃げたサルが多く、皆捕まえるのに2~3日かかると予想した。ロッブリー県では過去、数千匹のサルが人と一緒に暮らしながら観光名物になった。しかし、コロナ禍以降、観光客の足が途絶えて餌が足りなくなると、猿の群れが餌を探して住居地に侵入したり、住民を攻撃したりする事例が増えた。食べ物や携帯電話など住民の所持品をむやみに奪って逃げるかと思えば、数百匹のサルが二つに分かれて都心で争ったりもした。(引用終わり)
■タイの観光地はサルだらけ
ロッブリー県では猿のリーダーに率いられた100匹の猿が警察署に乱入し、警官が逃げ回る騒ぎになった。東北や北海道の熊も恐ろしいが、徒党を組んで襲ってくるだけにサルの方が怖いかも。
チェンライのターサイにはワットタムプラー、別名猿寺があり、多くのサルが生息している。この寺には池があり、暑い日には崖から池へのサルのダイビングが見られる。境内には多くのサルが徘徊しており、子供が手にしているアイスやお菓子を奪い取ろうとする。係員が棒で追い払うのだがあまり効き目はない。
プラチュアップキリカーンのワット・タムミカ―ラーム・ウォーラウィハーン、別名猿寺に登ったことがある。約400段の階段を上るのだが階段の一段毎に一匹のサルがいた。上に行くにしたがって猿の数は増え、山上は人間1に対し猿10くらいにサル密度が濃くなる。目を合わせないようにしていたが、ふと顔を見たら歯を剥きだして威嚇してきた。同行のNさんはサルの餌である玉蜀黍を買い求め、リュックにしまっていた。階段の途中で背後からサルがNさんのリュックに飛び乗った。Nさんも吃驚したことと思う。
観光地のサルはどうも気が荒く、人間は油断せず、常に注意怠りなく、といった対峙の仕方が必要だ。
■共生は不可能
クラビから1時間半、ピーピー島から舟で10分ほどの距離に猿島という島がある。ここは宿泊施設はなく、島巡りなどで短時間立ち寄る島である。この島のサルは食物だけではなく、帽子、シャツ、バッグ、なんでも引っさらってて山へ持っていく。4月にこのモンキービーチを島巡りで訪れた。浜は崖に面しており,いつ何時サルが背後から現れるかわからない。岩の上にカメラを置いて帽子を被せ、海に入ろうとしたがツアーガイドが目ざとく見つけ、帽子とカメラを預かってくれた。人が目を離した隙に狙うらしい。
観光地のサルはすべて野生サルだから、もし噛まれたら狂犬病になる恐れがある。
ロッブリ―県のサル騒動を見てもサルと人間との共生は、移民外国人との共生以上に難しそうだ。