チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

「住んでみたタイ」から日本を思う

ドリアン売り場

ドリアン、硬い皮の中身

同上、好きな人なら涎がでる

チェンライの市場

同上

同上、これは土曜市

「住んでみたタイ」から日本を思う

■文化、風習の違い

もう50年も前になると思うが「住んでみた○○」という本がよく出版されていた。当時は海外に行く人も少なかったし、ネットはなかったから異国での生活体験談は貴重であり、多くの人の興味を引いたのだろう。異国に生活して1年目は見るもの聞くもの日本と違っており、その違いに神経をすり減らす。些細な出来事からこの国はダメだ、とか日本のほうが優れていると断定する。

こういった「住んでみた○○」本の著者は滞在1年ほどの方が多かったような気がする。そして滞在2年となると多少、滞在国の文化、習慣にも慣れてきて、ところ変われば品変わる、日本とやり方が違っても仕方ない、と感得する部分が多くなってくる。滞在3年目となれば滞在国と日本を相対的に見ることができるようになって、お互い、いいところもあるし悪いところもあるし、違いをあげつらっても仕方ないと達観する境地に入るという。

チェンライに住んで十数年、タイの文化、慣習に慣れて、ここはタイだから(仕方ない)、といった悟りの境地に入っているのでは、と言ってくれる方もいるが、日本で60年を過ごした生粋の日本人、滞在期間が長いからといっても時には日タイの違いを感じ、なんだよー、ともって行き所のない苛立ちを感じることがある。特に自分の利害に関することをタイの文化、風習だからと片づけられると「これが日本ならばなあ」と我が母国が恋しくなってしまう。(だからと言って帰国するほどではない)

 

■多めに渡すな

例えば買い物に行ってドリアンを買うとする。果物は慣れた人に見てもらって買うのが一番だ。だから300Bくらいと言われてブアさんに500B札を渡したとする。すると彼女は2個買ったので700Bだった、あと200出せなどと平気で言う。1つはロンブのお姉さんたちに上げる、借りたお金はあとで返すという。でも後の返金は200Bだけ、日本人はお金持ちなのだから多少のタンブンは当り前ということらしい。ここで350、せめて300寄こせと怒るのは「キーニオ(ケチ)」、「ニサイマイディー(よくない人)」との烙印を押され、将来に禍根を残す。300と言われて500を渡した自分が悪かった、と素直に認める度量が必要だ。自分の場合、お互い助け合って生活しているのだから仕方ない、と怒るようなことはなかった。300と言われて500B札を渡した自分が悪かった。

 

■厳しくなった大麻取締り

先月末、タイ保健省による大麻の販売および購入に関する新たな規則が告示された。この告示によると購入にあたって「医療関係者による処方の必要」や「宣伝の禁止」などが挙げられている。

タイでは2020年6月に大麻の栽培および利用を合法化した。後に法制化されるはずだったが、反対意見が多く成立が見通せなくなり、これまで告示が出たままの中途半端な状況が続いていた.大麻は当初より「医療目的」のみが許可されていたが、販売者が目的を拡大解釈した上、当局の指導も甘かったため、娯楽要素を多分に含んだ販売店を増やす結果となった。合法化直後は朝市や土曜市の植木屋で大麻の苗が大ぴらに販売されていた。

その後、パタヤプーケット、パッポンストリートなど歓楽地では歩きながら大麻タバコを吸うファランで一杯だし、北タイの田舎、チェンライにも大麻専門店、大麻カフェが林立した。リぺ島、ランタ島など観光客で賑わう離島でも大麻マークの店は多くあったし、ハイシーズンにはいわゆる「フルムーンパーティ」があちこちで開催されているとのこと。

このたびの新しい告示でも大麻商品全般の販売はこれまでどおり、「医療目的」で認められるし、実店舗に関しては、ある程度の対処で経営の継続が可能という。医療目的の大麻購入には規則上「医師、歯科医師、タイ伝統医学療法士、薬剤師等の処方」が必要となっているがチェンライ市内の大麻カフェで処方箋を求められることはまずないだろう。これだけ広がってしまうと告示とか規則で取り締まるのはもう不可能というべきだ。

法律、罰則があるけれどもそれが守られるかどうかは別問題だ。タイの交通規則、罰金システムは厳格化されたが、交通ルールを国民が守るかどうかは別問題だ。

日本のように法律が施行されれば周知徹底、警察始め監督官庁は法に則って公明正大に取り締まる。国民はそれを是としてルールをきちんと守る。長期の居住経験はタイとウズベキスタンしかないが、日本のような官民挙げての法治国家は世界に存在しないのではないかと思う。