



やはり、

蘭が

テニスと旅と
■休みは嬉しいが
週5日のテニスコート通いを続けている。でも今は雨季だ。起きてみて雨が降っていると「あー、今日はテニスに行けない、休みだー」と嬉しくなる。テニスは決して仕事ではない。でも月ー金(土)は朝起きて出かける、を半世紀以上続けた。登校や出社がそれほど負担だったわけではないが、学級閉鎖とか交通ストなどで登校、出社に及ばず、という大ぴらに休めることがあり、その時は嬉しかった。でも大手を振って休める機会は稀であったし、休みが長期にわたることはなかった。
60歳からチェンライに移り住み、テニスが主体の暮らしになった。十数年、テニスを続けているということはテニスが楽しいからである。でも週5日出勤が続くと休めないかなあなどと思う。30年以上にわたる出勤の思い出が蘇ってくるのか。
今は雨季だから仕方ないのだが、今週は月曜から木曜まで朝起きてみたら雨だった。前週から引き続いて6回連続でコートに行けなかった。たまの雨なら嬉しいが、雨が数日も続けば、テニスに行きたい気分が漲ってくる。金曜は曇天だったがコートに行ってみたら数人集まっていた。テニスができるので皆さん機嫌がいい。自分も5-5から最終ゲームで5-6と負けてしまったが久し振りにたっぷり汗をかいて気分は上々だった。
■一人暮らし
雨でコートに行かない日は何をしているか。携帯やPCで動画を見ている。参院選関連はかなり広範囲に動画を視聴した。人それぞれいろいろな見方がある。競馬の推理ではないが、動画ではこの候補はこう言っているがこっちの政党が巻き返すのではないか、ここは総理が応援演説に入ったから落選か、などと予想する。兄がチェンライに滞在していたときは、おい、XX県では与党が危なくなってきたらしいよ、などと話しかけていた。でも兄が帰国したので新情報を仕入れても話す相手がいない。へえ、そうなの、といった相槌を打ってくれる、或いは時には反論してくれる話し相手がいる、これはその相手がいなくなってから大切さがわかる。一人暮らしは鬱病に罹りやすいと言われているがなんとなく納得できる。犬か猫の頭をなでながら「ココちゃん、日本の政治家も質が落ちたねえ」などと呟いていれば心穏やかに多少長生きできるのかもしれない。でも今更、犬飼ってももねえ。
ところで日本の犬の名前人気ランキング2024年を見ると一位から順に、むぎ、ココ、こむぎ、ラテ、マロン、モカ、ベル、ノアと続く。知らないうちに犬の名前もモダーンになっている。チェンライはそこら中に犬がいる。放し飼いが普通だ。名前がついているかどうかわからない。餌だって定期的に与えられているかどうかわからない。いくつかの家を回って餌をもらう犬もいる。日中は暑さに負けて日陰でへたり込んでいるが、夕暮れになると元気回復し、徒党を組んで通行人を襲ったりする。邦人でも犬に嚙まれた経験を持つ人は少なくない。夜道は人間より犬が怖い。
■健康第一
テニスができるということはまだ健康、と自分に言い聞かせることができる。政治家に限らず、年貢の納め時、引退の時期は誰にも来る。コート通いもパートナーに迷惑をかけるようになれば潔く辞めるつもりだ。その時期はもうすぐ来ると自戒している。
テニスと同時に健康ならばまだできる、と心に期するものがある。それは旅行だ。ラオスやミャンマーなど陸続きだから「海外旅行」と言わないのかもしれない。また日本から見ればタイ国内を旅行しても海外旅行になるのかもしれない。旅に出ると見るもの聞くもの珍しく、そうなのかーと何事にも感心する。日頃、ブログに何を書こうかと困っているのに旅に出たら書きたいことがいくらでも出てくる。でも過去の旅ブログを読み返してみると「もう5年後はムリ」というフレーズが何度も出てくる。10年以上前からそう書き続けている。最近は「来年でもムリ」という文句も出てきている。古希を遥かに過ぎ、最近になってやっと「天命を知る」心境に入ってきたのではないか。
75歳で亡くなったジャン・ポール・サルトルは70歳の時「今、自分に残されているものをどれだけ大切に使って生きるか、を考えている」といった言葉を残している。
老眼鏡がないと細かい字が読めない、寝床からすっくとは立ち上がれない、登山も遠泳ももう無理だろう。でもまだトコトコ歩けるし、好奇心に駆られれば旅に出る。できるうちにできることを、だ。飲めるうちがハナ、とビールを飲み干しながら若くして世を去った父とか友人を想い浮かべる。政治はどうあれ、今、自分が恵まれた人生の途上にいることは確かだ。