






ブルネイあれこれ
■イスラム色
マレーシアもブルネイも国教はイスラム教であるが、ブルネイの方がイスラム色が強い。まず街を歩く人々はほぼ全員イスラム服装である。この国の小中高校生の制服はイスラム服と決まっている。女性はヒジャブのスカーフ、男性はトルコ帽や毛糸の丸キャップを被っている人が多い。幼時から老人までほぼ同じいでたちである。幼児のヒジャブ姿は可愛いものだ。
商店の看板はアラビア語併記となっている。アラビア語で書かれた道路交通標識もある。ブルネイの子供は日本の中高で英語を習うように学校でアラビア語を学ぶのでおおむねアラビア語が読めるらしい。ブルネイの正式名称は「ブルネイ・ダルサラーム」というがダルサラームはアラビア語で「平和な国」の意味、平和な国ブルネイが国名となっている。
マレーシアでは飲酒、喫煙は自由であるがブルネイでは2つとも禁止、レストランではビールは出ないし、街でも売っていない。
ブルネイのヤヤサン広場の一等地に「カイゼン寿司」という寿司店がある。世界で一番おいしい寿司が供される店という書き込みがあった。一応、話のタネにカイゼン寿司を訪れてみた。石庭をイメージさせる入り口、店内はカウンターとカンポン・アイールを臨むテーブル席、座卓席が用意されている。お客の雰囲気も心なし品がいい感じ。寿司を頼もうと思ったがメニューを見るとマグロが一貫で500円もする。満足するまで食べたら路銀が続かないと思って2500円のブリの照り焼き弁当で我慢した。ご飯はタイの日本米の数倍美味しかった。でも酒はメニューにない。入り口には空席待ちの人達が何人も座っていた。富裕国の富裕層が来る店のようだ。
■モスク
ブルネイには多くのモスクがあるがこの2つは行くべきというモスクがある。一つは「ジャメ・アスル・ハサナル・ボルキア・モスク」、通称「ニューモスク」。このモスクは、ハナサル・ボルキア国王の即位25周年に合わせて8年かけて作られ、1994年に完成した。床や柱はイタリア製の総大理石で作られており、5000人が収容できるブルネイ随一の大きさ。
国王に謁見するため、初日にこの新モスクに行き、8時半から11時まで王宮行きのバスを待って並んだ。長蛇の列が遅々として進まず、ホテルのチェックアウトの時間が迫るし、炎天下で熱中症になりかけるし、それで列を離脱してホテルに戻った。ひょっこりとブルネイやってきた日本老人にじっと待つ「我慢」を教えてくれたモスクである。
もう一つのモスクは「スルタン・オマール・アリ・サイフディン・モスク」、通称「オールドモスク」、ヤヤサン広場に近く、ブルネイの象徴ともいわれる。第28代スルタンの名を冠しており、世界中の一流品を集めて1958年に完成した。周辺は公園となっており博物館が連なっている。
ウズベクでもモスクはたくさん見たが、豪華さ、煌びやかさに関してはブルネイのモスクに軍配が上がる。スルタンの富を象徴するだけではないか、という人もいるかと思うが、ブルネイ国民に誇りを与えるのであればそれだけでも意味があると思う。
■7つ星ホテル
公的なホテルの格付けでは5つ星が最高ランクとなっている。でも世界には7つ星ホテルと言われているホテルが2つある。その一つがブルネイにあるエンパイアホテルである。因みにもう一つの7つ星はドバイのブルジュ・アル・アラブ ジュメイラというホテルという。
2つ星ホテルでもいいホテルだと感激している身分であるからエンパイアホテルには泊まれない。でもドバイに行くことはまずないからこのホテルに行ってみた。ホテル敷地からフロントまで車で3分ほどかかる。ホテルの広大な敷地には、映画館、スパ、ジム、プール、ショッピングアーケード、5つのレストラン等、ホテルでゆっくりと過ごすために欠かせない施設が整っているとのこと。現国王がマイケル・ジャクソンを呼んで無料コンサートを開催したのはこのホテルらしい。
広々としたロビーの一角にあるカフェで珈琲を頼んだ。ナッツとビスケットがついてきた。このおまけは無くなると笑顔が素敵なおねえさんが補充してくれた。残念ながら日本の高級ホテルのように珈琲のお替りはしてくれなかった。
珈琲のあとはメインフロアからエレベーターで3階分ほど降りて庭を散策した。まるで眼前の海で泳いでいるように見えるラグーンプールがいくつもあった。シーズンオフなのか人は殆どいない。
ドバイの7つ星、ブルジュ・アル・アラブ ジュメイラは一泊15万円から250万円、でもブルネイの7つ星は一泊2万円からとのこと。一日100円ずつ貯金すれば1年後には自分も泊まれるかなあと考えた。