チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

ミャンマー大地震

地震発生など露とも知らず昼からビール

乗り継ぎのシンガポールチャンギ空港にて

コタキナバルのホテルから

船着き場の食堂

ホテルから見た夕暮れ

 

ミャンマー地震

■異国で聞いた第一報

タイ時間3月28日午後1時20分にミャンマー中部を震源とするマグニチュード7.7の巨大地震が起こった。この一報を知ったのは女中のブアさんからのライン電話だった。「大きなペンディンワイ(地震)が起こった、ネット動画を見てください」。続いて何人かの友人からバンコクの建設中のビルが地震で崩壊する動画が送られてきた。こりゃ大変だ。チェンマイ総領事館からも地震情報がメールで送られてきた。震源地近くのマンダレー、パガンには行ったことがある。パガンの何百もの仏塔はどうなったことだろう。死者の数は40人とか報道されていたが、これは4桁の数字になるのではないかと思った。チェライの友人の話では横揺れが20‐30秒続き、吃驚したが特に被害はない、だが余震があって不安だという連絡があった。我が家もブアさんによれば被害なしとのこと。

連絡をもらったということはこの時、チェンライにはいなかったからだ。実は前々日の26日からマレーシアのコタキナバルに滞在していた。マレーシアは南シナ海をはさんで東西に分かれている。左側のタイから南に延びる「マレー半島」部分が西マレーシアと呼ばれ、右側「ボルネオ島」の北部は東マレーシアと呼ばれている。東マレーシアサバ州の州都がコタキナバルである。人口約50万人(2020年)、東マレーシア最大の都市である。1942年から1945年まで日本の占領下におかれていた。

現在は南シナ海海浜リゾート地として開発が進んでいる。特に韓国から5時間で来られることから韓国のハワイとして人気がある。コリアンの喜ぶゴルフ場も多い。

何故、この時期にコタキナバルへ、といぶかしく思われる方もおられると思う。チェンライの暑季は煙害とともに始まる。空がうすぼんやりと霞んでいつもは青々と見える山々は煙の中に隠れ、朝晩の太陽は肉眼で見える。大気は汚染され、肺機能の弱い人はつらい時期だ。自分はAQI(空気質指数)が300を越える危険レベルの日でもテニスに興じているが、気が付かないだけでこの環境では寿命を縮めてているに違いない。

 

■北タイ脱出

この煙害の季節、北タイの富裕層はホアヒンとかプーケット、あるいは海外のリゾートに避難している。自分の場合、何週間もテニス、PCの単調な生活をしているとどこかへ行かなくちゃ、という気分になってくる。テニス中心の生活は楽しいのであるが、生活にメリハリ、刺激は必要だ。最近は北タイを車で回っていたが、煙害から逃れるためにはもっと遠くに行く必要がある。

昨今、自分より若い人の訃報に接することも多く、自分にはもう時間は残されていないのではと考えるようになった。かといって真面目に終活を考えるわけではなく、今のうちにまだ見ていないものを見てみたい、変わったものを食べてみたい、という流れになっていく。80,90になった大先輩が「もっと旅に出ておけばよかった」、「もっとお金を使っておけばよかった」と後悔している。豪華客船に乗って世界一周をするほどの財力はないが、隣国のリゾート地を回るほどの余裕はある。調べてみると日本に帰国してちょっと地方を旅することを考えるとはるかに安価に行けることが分かった。バンコクからコタキナバルまでシンガポール経由のLCCが飛んでおり、費用は片道1万円ほどだ。これは行くしかないでしょう。

 

■空気も魚も美味しい

金持ちではないが煙害のチェンライから脱出して、まずはコタキナバルに着いた。3月末時点でチェンライの空気質を表すAQIは170から200といったところ、肺機能の問題ある人にとっては危険レベルだ。それに気温が39-40度、年寄りならずとも熱中症で倒れてしまう。それに引き換え、コタキナバルのAQIは25前後、清浄空気だ。最高気温は32度であるから暑季のチェンライから来た身にとっては涼しいくらいだ。海も空も美しい。煙害は人の心も曇らせていたのだなあと思った。

コタキナバルでやりたかったことの第一は海の魚を食べる、であった。朝、ジェッセルトンの船着き場に行った。みなここから透明度の高い海浜のある島へ渡る。切符売り場から船着き場までの間に現地の食堂がある。おかずが10種類以上並んでいて皿に好きな料理を好きなだけ盛って食べる仕組み。魚の空揚げ、イカの煮物、鶏のから揚げ、焼きそばなどを皿に盛る。値段は日本円で500円くらいだ。まず初めにちび烏賊の煮物を口にしてみた。旨い。20センチほどの魚の唐揚げも美味しい。チェンライではまず味わえない。

この日の午後に地震のニュースに接した。被害にあわれた方には申し訳ないが、コタキナバル海鮮料理の旅はこうして始まった。