チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

タイのEV市場

チェンマイ花祭りから

同上

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BYDの車

タイのEV市場

 

チェンライではよく見かける

電気自動車(EV)をチェンライの街中で見かけることが多くなった。先日、テニスコートに向かう空港バイパスで前と右隣りがBYDのEVだった。いつの間にかチェンライ市内の大きなホテルや大手スーパーにはEVの充電スタンドが設けられている。また、充電設備完備のガソリンスタンドも増えてきた。EVの販売会社やショールームもチェンライで複数見かけるようになった。

2035年に内燃エンジンの新車販売をすべて禁止してEVへ移行するという欧州連合の政策は撤回されている。またトランプ大統領もEVの義務化廃止を就任直後に命令している。大体、環境のためとはいいながら、日本のエンジン技術にどうしても追いつけない欧米と中国が結託して強引なパラダイムシフト、つまりルール変更がEV促進、内燃エンジン禁止だった。環境にやさしい、はいつも怪しげなお題目であるが、リチウム電池の製造、廃棄、並びに化石燃料から作られた電気を利用するという点でEVはガソリン車以上に環境負荷を与えることが明白になった。電池製造に使用されるリチウムの75%、コバルトの50%は中国が握っている。欧州のEVメーカーはEVの心臓部である電池供給を中国に依存するという時点で中国のEVに勝てないことが分かっていたのではないか。

増産効果により製造価格が激減して世界のEV化は順調に進むと言われていたが、製造価格が激減したのは中国車だけだった。安価な人件費ばかりでなく、共産党補助金でいくらでもEV価格を下げることができる。欧米の競合他社は赤字販売を長く続けることはできない。欧米がEVから撤退した後でEV車の価格を上げていけばいい、中国の魂胆はこんなところだろう。

欧州は今のところ、中国から入ってくるEVに高関税をかけることで対抗している。しかし中国のBYDはハンガリーにEV組み立て工場を建設し、早ければ2025年後半から出荷を始めると発表している。ハンガリー欧州連合の一翼を担っているから、BYDのEVは無関税で欧州に販売される。こうなれば欧州のEVメーカーは全滅だ。

 

新車登録の一割がEV

JETROバンコク2024年10月の「タイで飛躍的に拡大したBEV市場、中国ブランド同士で競争激化」というレポートによると、2023年、タイのEV市場では、爆発的な販売拡大がみられ、EVはタイ市場で一躍、市民権を得るようになった。同年のタイのEV新規登録台数は、前年比7.8倍の7万6,314台に増えた。2023年の国内自動車販売台数は77万5,780台で、国内自動車市場に占めるBEVの割合は前年の1.1%から9.8%まで上昇した。

2024年も新車登録の10%はEVで占められ、前年並みの出荷があったとみられる。日本では2024年のEVの販売台数は前年比36%減の6万台弱、全体の車販売台数の1.6%となっている。台数、構成比でもタイのEVは日本のそれを大きく上回っている。なぜEV販売が好調かというと、政府の手厚い補助金と中国EVメーカーの値引き合戦があるから、つまりEVが安いから売れるという側面がある。BYDは昨年、売れ筋のSUV「アット3」を100万円ほど値下げした。タイでは車の価値はそれほど減価しない。資産として車を保有している人も少なくないから、突然、資産が大幅に目減りしたので大騒ぎとなった。BYDはすでに購入したユーザーの家に充電設備を取り付けることで怒りを鎮めたとか。

 

EVの行く末は

タイ政府は中国のEVに優遇策を設ける代わりに過酷な義務も課している。中国から輸入されるEVに関しては関税ゼロ(日本車への関税は20%)、価格が200万バーツ以下の乗用タイプのEVについてバッテリー容量に応じて、購入時に1台あたり2万〜10万バーツの補助金が支給される(2024年、 従来の補助金は7万〜15万バーツ)。補助の条件としてEVメーカーに生産量を輸入量に対して26年に2倍、27年に3倍まで引き上げる新たな義務を設ける。タイでEVを売ったら販売台数の2倍から3倍の台数をタイで生産せよ、というものだ。タイはASEAN地域のデトロイトといわれるほど各国の車メーカーが進出している。ガソリン車がだめならEV輸出で乗り切ろうという思惑だが、EV販売は2024年後半から頭打ちとなっている。

EUでは補助金が打ち切りに伴ってEVの販売台数は落ちている。補助金がなければ売れないということは、そもそも競争力がないということではないか。

EVはデザインの良さ、加速性能、静粛性に優れ、大型トランクが数個入る荷物スペースと評判は高い。

でもタイの電気価格は上がりつつあるし、充電スタンドを設置してもガソリンと違って儲けがでない。これがEVの普及を妨げる理由の一つではないかとも思っている。