





春節の旅(1)
■どこにでも中国人観光客
友人が日本からチェンライに戻ってきた。大阪や京都を回ったが中国人ばかりだったという。中国経済はボロボロと言いながら海外旅行に行ける層はまだ厚いようだ。2024年訪日外客数 (JNTO推計値)によると来日した中国人は約700万人、韓国の約900万人に次いで第2位となっている。でも香港、台湾、シンガポールから来た観光客を足しこむと中国系は約1600万人、日本に来た外国人の半分近くを占める。
でも本土の中国人と他の国の中国人、ちょっと違うんですよね、と友人が言う。本土から来た中国人は見た目、つまり服装がちとダサい、大きなカートを引いて歩く、大声で話す、その周りを躾の悪そうな子供がチョロチョロしている、こういった特徴から、あ、この人は大陸の人と分かるそうだ。北タイでも中国人観光客を見かける。確かに家族連れが多い。父親はメガネをかけていて腹が出ている。タイでも同じだねと笑いあった。因みに2024年にタイに来た中国人観光客数は667万人、コロナ前は1000万人を越えていたから3割以上減っているものの訪タイ外国人観光客の第1位である。
春節、旧暦の正月には延べ90億人の中国人が移動したという。今年の旧暦元旦は1月の29日、その前後1週間ほどが春節休暇となった。タイはもともと中国系の人が多い。チェンライでも旧正月中に休業する一般商店、レストラン、屋台は少なくない。中国系は商業を抑えているなあと思う。尚、新暦の元旦とかタイ正月である4月のソンクランは国民の休日であるが、春節1月29日はタイの旗日となっていない。
■中国人観光客が来ない観光地
ともあれ、春節は休みの店は多いし、中国人がたくさん来る。でも春節の頃の北タイは乾季で旅行に行くには最適の季節だ。北タイのホテルの予約状況を調べてみた。やはりこの時期、満室、あるいは強気の宿泊費を設定というホテルが多い。しかし宿泊費もそこそこだし、まだ予約できる場所もある。ドイメーサロン、この辺りは国民党の残党、子孫の住む場所だ。ここには中国人は来ない。共産党は海外旅行中の人民を監視しているかもしれない。北タイで国民党と接触したという嫌疑をかけられては大変、と中国人観光客も考えてあえて北タイの山岳地帯に足を踏み入れないのではないだろうか。
タイにも桜は咲く。でも日本の桜に似たヒマラヤサクラである。ソメイヨシノなど日本の桜は気温が10度以下の時期を過ごさないと花が咲かない。よく日本から桜の苗木が送られるが、気温の高い暑季を過ごすことは稀である。ドイトゥンの王母様の庭園、メーファールアン・ガーデンには皇太子時代の上皇、上皇后陛下が贈られたソメイヨシノがあるが花は咲かず、幹がどんどん太くなるばかりとのこと。
■花見を兼ねたドライブ旅行
ヒマラヤサクラはアカ族の村やドイメーサロンで何度か見ている。タイのテレビニュースの終りに各地の風景が映るのだがそのうちの一つに燦然と咲くヒマラヤサクラの並木道が出る。チェンマイ県のドイ・アンカーンとのこと。ドイ・アンカーンはミャンマーとの国境に近い山、ここにも国民党の残党が住む中国人村がある。この辺りに中国人観光客は来ない。桜の季節は12月末から2月初めまで。春節はチェンマイ、チェンライのミャンマー国境沿いをドライブして花見をしよう。
概ね、以下のような計画を立てた。
チェンマイを起点として市内から1時間半ほどのチェンダオに出る。チェンダオからドイ・アンカーンの途中にある中国人村、アルノータイを見物、そのあとドイ・アンカーンに向かってその日はサクラ並木を見物し、適当なGHに投宿、翌日は山を下りてチェンマイ、チェンライの県境の街、タートンで泊まる。タートンは昔、川の交通で栄えた街だ。
北タイに詳しい人はチェンマイ県のタートンからメーコック川を舟で下ってチェンライ市内へ行くというレアな旅行程を知っていると思う。でも一部のファランには人気があり、チェンマイ市内から4時間のバスに揺られてタートンに着き、1泊して翌日に1日に1本のボートに乗ってチェンライを目指す。チェンライ、チェンマイ間は200キロ弱、1時間ごとに発着するバスに乗れば3時間ちょっとで着くのだが。
タートンにはまだ行ったことがない。どんなところか。タートンからチェンライのドイ・メーサーロンまでは車で1時間ほどの距離だ。泊るには近すぎるので家に帰ってもいいし、タイ最北端のメーサイに行ってメコン河沿いにチェンセーンで泊ってもいい。桜見物を別にすれば2日目以降はチェンライ周辺の旅となり、いつでも帰宅できるという気楽さがある。