チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

チェンマイの小樽

メーカー運河

タイ語ではオタル-、ルーを高音で長く発音

人出は多い

座って休む場所も

運河沿いの居酒屋

小樽運河 本家 ネットより

 

チェンマイの小樽

■訪日タイ観光客数は堅調

タイを訪れる日本人の数が減っている。コロナ前の2019年には日本から180万人もの観光客がタイに押し寄せた。だがコロナ後の2023年には80万人、タイ観光庁は今年の訪タイ日本人観光客数見込みを当初の87万人から100万人と上方修正しているがそれでも5年前の4割減だ。一方、タイから日本への観光客は増える一方、JINT(日本政府観光局)の調べによると訪日タイ人観光客数は2023年に100万人、今年2024年の1-10月で88万4千人となっていて1-12月では100万人を越すことは間違いない。

人口比では訪日タイ人は訪タイ日本人の倍いることになる。周囲でも日本に行ったというタイ人は少なくない。山奥で会ったアカ族のおばさんが日本で黒い茹で卵を食べた、などと言っていた。箱根大涌谷に行ったらしい。

タイの訪日客はリピーターが多いという。ウズベキスタンに来た観光客は「一度は来るところだけれども二度目はない」と言っていた。理由はともかく何度も日本に来てくれることは嬉しい。彼らは浅草寺、富士山、河口湖、奈良、京都は卒業して、あまり人の行かない高千穂、出雲大社蔵王温泉などに行くようだ。

 

チェンマイの小樽

タイ人向け日本旅行情報Webメディア、アジア・インタラクション・サポートの「訪日タイ人の人気観光地ランキング2022」によると、タイ人に人気のスポットランキング、北海道、東北編の第6位に小樽運河が上がっている。全国でも47位だ。

自分は小樽には行ったことがない。北海道は1、2度札幌に行っただけ。小樽は日本人にとってもマイナーな観光地。タイ人にもそれほど人気の場所とも思えないが、小樽観光をして感動したタイ人がいたのだろう。2年ほど前、忽然とチェンマイに「チェンマイの小樽」と呼ばれる新名所が出現した。チェンマイの旧市街南東にあるメーカー運河がそれである。メーカー運河はランナー王国の外堀だったというから700年の歴史がある。と言っても数年前までスラム街のドブ川で辺りに異臭を放っていた。

JICA専門家による「タイ国チ ェンマ イ市 の水 質汚濁 と研究 協 力事 業」というレポートを読んだがチェンマイ市内には下水処理施設はないようだ。住民も役所も下水処理に関心がないと専門家は嘆いている。たしかに「確かに臭くて汚いけどさあ、雨季に全部流れてきれいになるんだよ」という声が聞こえてきそうだ。下水よりも洪水の方が心配な土地ではある。

ところがチェンマイ市はメーカー運河に数千万バーツを投じて整備、2022年には若者を中心に注目を集めるエリアとなった。約1kmの区間にはカラフルな植物や花が植えられ、提灯付きの日本の橋が2本設置されている。そして住民の多くは住居の外壁を改造し、ショップやレストラン、カフェが立ち並ぶ。この生まれ変わったメーカー運河が、北海道の小樽運河に似ていることから「チェンマイ小樽運河」とも称されるようになった。

 

■メーカー運河に行ってみた

「タイのスイス」と自称する場所はチェンライ県の他、ペッチャブ-ン県、ラチャブリ県にも存在する。でも本家スイスには及びもつかない。ススキノ、柳ケ瀬、梅田、中州天神など一流の都市にはその地を代表する繁華街がある。XX銀座という繁華街がある街はそれなりの街だ。東京の銀座には及びもつかない。

それで「チェンマイ小樽運河」はどうであったか。

旧市街からトゥクトゥクに乗って10分、運河というより用水、その橋のたもとで降りる。本家の小樽運河にはクルーズ船が通るがメーカー運河は川幅が短く、水量も少ないので小型ボートでも無理、両川岸、川の中にもイルミネーションが灯り、側道には人々が行き交っている。運河に沿って立ち並んでいた家を改造して店にしているとかで、コーヒーショップ、居酒屋、カバン屋、他には典型的なタイ土産店が立ち並ぶ。店と川岸の幅はそれほど広くないので、混雑感があり、それが活気に繋がっているのだろう。

狭い店内に人がひしめき合って生ビールを飲んでいた。新宿とか新橋のガード下を思わせる。本家の小樽運河には行ったことがないが、こういった居酒屋もあるのだろうか。日本をイメージした提灯や日本語の看板もある。日本の太鼓橋を思わせる曲線を持った橋が架かっている。この橋の上で写真を撮る、がタイ人の決まり事らしい。日本風にしようと頑張っている努力は認められるが、ここでパッタイを食ってもなあ、という感じ。750メートルほどの川沿いが整備されているが、ゆくゆくは2キロに拡充されるそうだ。

チェンマイの新名所、メーカー運河はリピーターの心を掴むことができるか、今後を注目していきたい。