チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

騙されやすい邦人

チェンマイ、ロイクラトンの山車

同上、オカマではないかと思う

パレード見物

川岸の臨時レストラン

同上

屋台もいっぱい

騙されやすい邦人

■タイの在留邦人は微減

旅券法の定めにより在外公館(日本国大使館、総領事館)に届け出されている在留届を基礎資料として、各年10月1日現在の海外在留邦人数を推計している。

日本人が一番多く住んでいる国は米国、41万5千人、2位は漸減しているが中国で10万2千人、3位は豪州で10万、1位から3位の国はここ数年変わりない。この2023年の調査によると長らく4位につけていたタイが5位7万2千人に後退して、4位にはカナダの7万5千人が入った。

在留邦人の数は日本とその国の経済関係をある程度反映する。タイの都市別在留邦人の増減をみると2023年、シラチャでマイナス5,630人と前年比10%ほど減っている。シラチャには日本企業が集中しているから邦人駐在員が減少したとみるべきだろう。

漸減しているとはいえ、タイの在留邦人数7万2千人は中国を除くアジア各国の中ではダントツに多い。まだまだ日タイの経済関係は強固であるし、更なるビジネスチャンスも存在しているともいえよう。そうなるとタイで一山当てよう、という人はいるし、その事業に協力しましょうという在留邦人、コンサルタント会社、法律事務所も犇めいている。タイで発行されている邦字情報誌にはこの手の広告がたくさん載っている。

但し、ここはタイだから邦人はもちろんタイ人弁護士もコンサルも100%信用できるとは限らない。

 

■戸島警察大佐の忠告

日本人でタイ国家警察大佐となっている戸島国雄という人がいる。警視庁で鑑識一筋36年。95年に国際協力機構(JICA)派遣の鑑識専門家としてタイ国家警察へ出向。98年任期を終え帰国。定年退職後、2002年からJICAシニアボランティアとしてタイ警察へ再び派遣。現在、82歳を越えているが日タイを行き来してタイでの事件解決・鑑識技術の継承に奔走している。「タイに渡った鑑識捜査官」など著書も4冊ある。

彼の本務は鑑識技術の伝授であるが、邦人の関係する事件がよく持ち込まれる。以下はニュースクリップ2024年10月の戸島大佐の再録「在留邦人の危機管理」から。

「来タイ間もない、慣れない土地で暮らす日本人にとって、在タイ何十年という同胞は頼もしい存在であろう。知り合って懇意の仲になると、ついつい頼ってしまうことになる。しかし、頼る方は純粋な気持ちでも、頼られる方は決してそうでない場合がある。『金だけは持っている無知』と見下し、うまく巻き上げてやろうと画策する輩が常に存在し、在タイ年数が長ければ長いほどそのような者が目立つ。

タイの日本人社会にはさまざまな会が存在する。集団を好む民族なのだろうか、異国の地に暮らすのが心細いのだろうか、誰もがすぐ会やクラブといったものを立ち上げて同胞を募る。自分で立ち上げた会で自分に格好いい肩書きを作り、名刺を刷って配る。日本人は肩書きに弱いから、名刺を受け取った方もその格好いい肩書きをすぐに信用してしまう。するとまたそこで問題が起きる。タイ語が分からないので、タイに長くてタイ語も堪能と自称する相手の話に、まんまと乗せられてしまう」(引用終わり)

北タイの片田舎に住んでいてもこの手の話はよく見聞きする。出資しませんか、いい土地がありますよ、そしてタイ語で書かれた書類にサインしてあとで騙された、と気付く。日本にいたなら契約書をよく読むし、第3者にチェックしてもらうでしょう、と思うのだがどうして信用してしまうのか。相手に「騙したなどとは人聞きが悪い、ちゃんとした大人が契約にサインしたわけでしょう、じゃ出るところに出ますか」と言われて泣き寝入り。

 

カモネギの邦人

詐欺師はこいつからどれだけ取れるか値踏みして近づいてくる。自分の周りでも金持ちとみられている邦人に怪しい人が出資、出店話を持ちかけてくるようだ。残念ながら自分に儲け話を持ってきた人はいない。ベンチャーを起こすなら金を持っている層をターゲットにすべきですと教えていたが詐欺もベンチャーの一つか。

戸島大佐は言う。

「さんざん騙された挙句、最後は警察に泣きつくことになる。警察とはいえ、日本人のやり取りにタイ人が介入したいとは思わない。証拠も提示せずに、『今夜の飛行機で日本に逃げるつもりだ。空港で捕まえてくれ』と電話してきた被害者もいた。警察は令状なしに動けないのである」

彼も本務は鑑識技術の伝授なのに、邦人がらみの事件を持ち込まれて困っている様子が見て取れる。彼は騙されないための注意点を述べているが、アドバイスがあっても騙される人は騙される、それも何度も騙されるらしい。資産を持たない自分から金品を騙し取ろうという人はまずいない、これも幸せのうちかもしれない。