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同盟の歴史
■ロシア・北朝鮮「軍事同盟」が復活
6月20日付読売新聞から
北朝鮮の朝鮮中央通信は20日、ロシアのプーチン大統領と 金正恩朝鮮労働党総書記が19日に締結した新条約「包括的戦略パートナーシップ条約」の全文を公表した。露朝のいずれかが武力侵攻を受ければ、遅滞なく軍事的援助を提供することが明記された。冷戦時代の軍事同盟の復活を意味する。
条約は計23条からなり、このうち軍事に直接関わるものは2条あった。第4条は、露朝いずれかが武力侵攻を受け、戦争状態に陥った場合、「遅滞なく、保有するあらゆる手段で軍事的、その他の援助を提供する」とした。戦争状態になれば直ちに軍事介入することを義務づけた。
1961年に旧ソ連と北朝鮮が結んだ、軍事同盟に該当する「友好協力相互援助条約」にほぼ同じ条文があった。同条約は、旧ソ連崩壊後の96年に失効しており、28年ぶりに、有事の軍事支援義務が復活することになる。東アジアなどの安全保障環境に重大な影響を及ぼすことになる。(引用終わり)
ロシアはウクライナ戦争で軍事物資の不足に直面しており、北朝鮮から砲弾、短距離弾道ミサイルなどコンテナ2000個分の軍事支援を受けているという(NHK2023年11月2日)。プーチン大統領も多少は金正恩総書記にサービスするために条約を結んだのだろう。条約締結で大喜びしているのは金正恩、朝鮮中央通信で大々的に報道されたがロシアでは条約の全文は公開されていないし、プーチン大統領も「軍事同盟」とは発言していない。ロシアは歴史的に国際取り決めを遵守しない。北朝鮮も小狡い国だから、自国に不利となれば約束など平気で反故にする。お互い利用できる時だけ友好関係を謳い上げるのだろう。
■統合軍司令部
ロシア、北朝鮮の「軍事同盟」に対抗したわけではないと思うが、在日米軍は司令部機能を強化して自衛隊との連携強化を図ることとした。以下、7月28日付NHK Newswebから。
28日に行われた日米両国の外務・防衛の閣僚協議で、自衛隊とアメリカ軍の指揮・統制の向上に向けて在日アメリカ軍を「統合軍司令部」として再構成する考えが示されました。新たに作戦指揮の権限を持つことになり、防衛省は、連携強化が進む一方、自衛隊が在日アメリカ軍の指揮下に入ることはないとしています。
日米の外務・防衛の閣僚協議、いわゆる「2プラス2」が28日東京で行われ、自衛隊とアメリカ軍の部隊連携を円滑にするため、それぞれの指揮・統制の向上の一環として在日アメリカ軍を「統合軍司令部」として再構成する考えが示されました。
自衛隊に創設する「統合作戦司令部」のカウンターパートとなるもので、現在はハワイに司令部があるインド太平洋軍が担っている作戦指揮の権限を持つことになります。
防衛省は、調整がしやすくなり、自衛隊と在日アメリカ軍の連携が進むとしていますが、指揮・統制の向上をめぐっては野党などから「アメリカ軍との一体化が強まるのではないか」という指摘があります。
防衛省は、自衛隊が在日アメリカ軍の指揮下に入ることはないとしており、今後、アメリカとの間で具体的な連携のあり方などを協議していくことにしています。(引用終わり)
2度も自衛隊が米軍の指揮下に入ることはないと防衛省は強調しているが、米軍の統合司令部の司令官は大将、日本の司令官は中将クラスだ。それに日本は「反撃能力」の保有を進めているが、敵のミサイル発射拠点などの目標特定には米軍の情報が欠かせない。作戦行動には命令系統の一本化が不可欠ということを考えると自衛隊が米軍の指揮下に入ると考えるのが普通だろう。
■米国もロシアと同じ
岸田首相は核なき世界、非核3原則堅持と言っているが、日本は米国の核の傘で守られている。米軍の原潜は横須賀に寄港しているが核を持たない原潜は存在しない。
いざという時、米国は日本を守ってくれると信じる人は、実はサヨクに多い。でもニューヨークやワシントンに核ミサイルが飛んできて億単位の米国民が犠牲になるとしても、米国は日本のために戦うだろうか。誰かトランプさんに聞いてみてほしい。高山正之さんが言っていたと思うが米国はこれまでに78回の条約破りをしているそうだ。特にインディアンの約束は殆ど反古にされた。フィリピン独立の約束を信じて米西戦争を米国と共に戦ったアギナルドはあっさりと裏切られた。米国は有色人種との約束は反故にする歴史を繰り返してきた。安保条約は先例に準じないなどと誰が言えるだろう。
安倍さんが目指したように、日本は憲法を改正し、自国の核保有を論議し、自分の国は自分で守る意志をはっきりさせるべきと思う。