雪が少し残っている
日々の暮らしから
■できることに感謝
今週も週5日の出勤だった。別に仕事ではないのだが月曜から金曜日まで毎朝7時半に家を出て9キロほど離れたチェンライ市営運動場のテニスコートへ行く。ここで仲間とダブルス、6ゲーム先取のセットを2つ楽しむ。タイミングによっては3つやることもある。9時半を過ぎるとコートの気温が30度以上に上がってきて、今の時期、湿度も高いのでTシャツが絞れるほど濡れてしまう。びしょ濡れでも帰りのバイクでは蒸発熱で体が冷えるので気持ちがいい。
チェンライに来てテニスをしていなかったらどうなっていただろうか。こちらでは車かバイクで移動することが普通だから歩く機会は殆どない。ゴルフの趣味もないし多分、フレイル状態でヨレヨレ歩いていたに違いない。実質、60過ぎから始めたテニスであるから、学生時代からやっている人には敵わないけれどもコートでは勝ったり、負けたりの楽しいプレーを楽しんでいる。楽しいから続くということもある。この15年、多くの人とコートで出会った。初心者の我々を温かく迎え入れてくれた米国人3人組もコートから姿を消して久しい。コーチの指導を受けていた小学生達も我々兄弟に付き合ってくれた。負けて悔しがっていた彼らはもう立派な青年になっているはずだ。あの子たちはどうしているかなー、などと思うことがある。でも彼らは彼らなりに、あのテニスをした爺さんはもう死んでいるよなー、などと思っているだろう。
その昔、米国人3人組に「ナニ、俺たちに比べればベイビーよ」などと言われたが、今ではコート最年長は自分のようだ。ボールを拾って小走りにコートに戻るとき、こうやって走ってテニスができるのはいつまでだろうと考える。できるうちはやればいいんだよ、と友人は言うが人間、退き時は大切ではないか、と考えるようになった。
■テニスのあとはPC
テニスから戻るとまずシャワー、着替えを済ませるとPCに向かう。日本のニュース、時事解説などを視聴する。日本のニュースは火事、交通事故、強盗殺人といったいわゆる3面記事が多い。ニュースに取り上げられるのだから重大なことなのだろうと思うが北タイに住む人間にとってはそれほど興味がわかない。昨今の円安は海外に住む年金生活者にとっては死活的重要問題である。民主党政権時代、1万円は4000バーツの価値があったが現在の1万円は2300バーツちょっとである。実収入が4割減ったに等しいのであるが、為替は個人の努力で何とかなるものではない。為替も人生と同じで「いいときもあれば悪いときもある」と諦めるしかない。
でも世の中のエコノミストは、年明けには円高に向かう、4月には1ドル120円にとか言っていたが全然当たっていない。逆に1ドル200円時代はもうすぐ、などと円安亢進を説くアナリストもいる。こうなると当たるも八卦、当たらぬも八卦だ。高橋洋一さんによれば円安は日本のGDPを押し上げる効果があり、日本経済にとってプラスという。日本のために我慢、それに円安で生活が苦しくて日本に帰国しました、という邦人の例は少なくとも自分の周囲では聞いたことがない。
■日本の政治
政治ニュースも視聴するがよくわからない。いわゆる裏金問題でマスコミは大騒ぎしている。でもこれは政治資金の収支表にのせていなかっただけで修正すれば済むこと。パー券をノルマ以上に売ったら頑張った人に見返りがあってもいいのでは、と自分は思う。公金の私的流用、詐欺で集金した、とは違う。その証拠に地検特捜部が100人以上の検事を動員して調べ上げても議員の逮捕、立件はなかった。いや、道義的に許されることではなかった、というのであれば宏池会の会長であった岸田首相は辞職しなければならない。
政治資金規正法が自民党によって国会に提出されたが、これで裏金問題が消滅するのかどうかの説明はない。パー券購入者の氏名公開基準が10万円はダメで5万円なら良いという根拠もわからない。宏池会のパー券購入者には中国人が多数いることはよく知られているが、それと外国人の政治献金禁止を定めた政治資金規正法との関連はどうなのだろう。
政治家は財界であれ,労働界であれ金銭的支援をしてくれた団体、個人には強く出ることはない。自分だってしょぼい講演やパネル出演でいくらかの謝礼を頂いたことがあるがすごく嬉しかった。いわゆるコメンテータにでもなっていれば謝礼を期待してプロデューサーの台本通りにしゃべるに違いない。政治家、政党にはそのようなことはないとは信じられない。マスコミは政治に金がかかることを含め、金集めの裏側を論じない。論じないのは彼らも同類だからだろう。