チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

家を建てた(2)

大工さんから貰った図面はこれだけ

基礎工事

門扉と塀も造ってもらった

正面

居間

部屋1、まだ机、ベッドは未搬入

 

 

家を建てた(2)

■家を建てると死ぬ

タイに住む限り、借家でも家を建てても出ていく金額は同じ、ということに遅ればせながら気が付いて、何の気なしに家を建てた。金額的にはコツコツ貯めた、というか貯まっていた年金の範囲で総費用が賄えると計算できた。新車の購入とさほど違いのない金額だから気楽だった。

日本でマンション購入、或いは一戸建て建築ということになれば一生一代の大ごと、即金でという人は少なく、何十年のローンを組む人が大半ではなかろうか。心労もそれだけ大きい。よく家を建てると身内が死ぬなどと言うが、ストレスで死期が早まる人もいるのかもしれない。占いでは、運気が大きく変わる家の新築をしてはいけないとき、即ち厄年とか大殺界がある。厄年は20代、40代、60代にしかない。自分のような後期高齢者にはもう厄年はない。

六星占術の大殺界を調べてみた。生年月日で星が決まる。自分の場合、木星人マイナスだ。木星人の2023年の運勢はどうか。

木星人(+マイナス)の2023年運勢は、停止
大殺界のど真ん中の年。いろんなことが空回りし八方塞がり状態になります。
仕事も新たな効果は期待できません。過去の蓄えを食いつぶして生きていくことになります。今まで何らかの財を成せなかった人は健康を損ない、最も大事な身内の人を失う可能性があります。この時期にはすべて結果は凶と出るので、おとなしく堪え忍ぶのが無難です。」

特に2,3,4月は大殺界月で積極的行動に出ると不吉なことが起こるそうだ。2,3,4月はちょうど家の建築の真っ最中、知らなかったよー。

大体、「六星占術」はあの細木数子の始めた占いだ。結構、芸能人が引っ掛かった。「あんた、男兄弟、いない?」と聞いて、いません、いますに拘らず「やっぱりね」と顔を覗き込む。これが細木女史のやり口だったそうだ。我が身や身内に何か起こっても「やっぱりね」と言われる心配はない。一昨年、彼女は天国(又は地獄)に行ってしまったからだ。

 

■施主が資材を

タイで家を建てる場合、施主が建材を買い集めて、工事業者に渡して施工してもらうシステム、と書いた。コンクリートミキサー車の手配や鉄筋、屋根材などは工事業者が手配した。何でも施主が用意するものではないらしい。業者と自分の間にはブアさんが居て、業者がドアを何枚、蛇口を何個とブアさんに指示を出す。そうすると自分に電話が掛かってきてブアさんと建材を買いに行く。

建材店は市内、郊外に数店ある。それぞれ、晴海の展示場ほどある広い店内に建築に必要な資材が並んでいる。照明器具コーナーでは豆電球から豪華シャンデリアまで揃っている。

2月から4月半ばまで、いつブアさんから電話が掛かってくるかわからない、車がないことには建材店に行けない、材料がないとそれだけ工期が遅れる。だから建築中の3カ月は、旅行はもちろん外出も控えた。

 

■確かにストレス

床タイルなど買う人はめったにいないのではないかと思っていたが、自分が実際に建材店に足を運んでみるとカップル、家族連れが何組もタイルを選んでいる。インテリアに興味のある人ならばタイルをうまく組み合わせて幾何学模様などを創るのであろうが、自分は色くらいしかわからない。

製造元が同じなのかどこの店でも同じデザイン、色のタイルがあった。値段が結構違う。ブアさんは少しでも安いものを、と建材店をハシゴする。どれでもいいよ、ここで買いなよというのだが、ブアさんは携帯の写真を見せて、ほら、あの店より1枚50B高いなどと言う。ハイ、ハイ、そうですね。

業者はある程度情報を掴んでいて水回り製品はあの店、ペンキはこの店で買えば、というのだが、それでもブアさんは値段比較をしないと気が済まない。どれだけ建材店巡りをしたことか。ドア、蛇口、洗面台、シャワーノズル、塩ビ配管などざっくりした指示で買いに行くのだが、寸法が合わないことがある。タイの工事ではよくあることのようで、領収書があれば購入後1月以内であれば返金、交換に応じてもらえることが分かった。ということは交換のため何度か建材店に車を走らせた、ということだ。

いつなんどきブアさんの呼び出しがかかるかわからず、結構ストレスに感じた。家を建てると死んじゃう、はこういった体と心の疲れで体調を崩してしまうからだろう。

大丈夫とは思うが木星人は大殺界、逝ってしまったらあの世で細木数子に「やっぱりね」と言われてしまう。それだけは避けたい。