チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

ワールド・テニス・ツアー・チェンライ(2)

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岡村恭香選手

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女子ダブルス優勝、岡村・ピーンタン(タイ)の国際ペア

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アレクサンドリア・エアラ選手(フィリピン)

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エアラ選手のサーブ

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中国選手を破って女子シングルス優勝

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ボールキッズ、ジョイの息子、自分のコート友達



ワールド・テニス・ツアー・チェンライ(2)

■ただ見とれるばかり
大坂なおみジョコビッチ等、有名選手のプレーをユーチューブで数分間見ることがある。短時間でもその技量には目を見張るものがある。でも世界ランキング3桁の選手と言えどもプロはプロ、間近に彼らのテニスを見てすっかり魅了されてしまった。一流選手の動きは無駄がなく美しい。何気ないラリーでもラケットが背面からきれいなカーブを描いて球に当たる。パーンという気持ちのいい音ともにボールがネットをかすめるように相手コートに飛び込む。プロのプレーは我流テニス改善に参考になったかというと、全然レベルが違うので、取り入れようがない。ただ口をあんぐり開けて見とれるだけだった。

連日、9時過ぎにはコートの観覧席の前に陣取って女子テニスを中心に観戦する。主審と線審は資格を持ったタイ人がやっていた。ボールキッズは地元の中高生。ボールキッズの中にテニス仲間、インド人教師ジョイの息子がいた。小学校3年か4年のチビだ。オヤジさんの影響かコーチについてテニスを習っている。時折、試合を挑んでくる。自分に勝てたことがないので、悔しくて仕方ないらしい。全身を使ってのリターンには威力があり、そのうちこっちがやられるだろう。

観覧席は4段で20-30人座れば一杯になるのだが、不思議と観客がいない。選手の親とかコーチといった関係者が2,3人、それでも日を追うにつれて、顔見知りのコート仲間の顔も見るようになった。

■トーナメント音痴
1,2回戦だと主審と線審が一人、それにボールキッズが一人計3人で試合を進める。タイ人の子供はダラダラしている。足は遅いし、コート外のボールを早く拾ってこい、と線審に注意されたりしている。厭々やっているのではないかと思うほどだ。

ゲームカウントはゲームが終わるたびに主審がキッズか線審に指示して3-4とか5-3とか数字を換えさせる。でもずぼらな主審がいて2,3ゲーム終えているはずなのに0-0のままになっている。どうなっているんだ。主審のすぐ後ろに座っていたので「ゲームカウント、タウライ(いくつ?)」と聞いた。一緒に観戦していた日本の女性プロが吃驚して「2-3」と教えてくれた。主審は自分に振り向いて「ツー・スリー」と答えたが、観客が主審に尋ねるということは常識外のことだったらしい。

一つ向こうのコートでダブルスをやっていた。右側の二人は金髪女性だが、左側の一人は髪を刈り上げていてガッチリした体格、隣に座っている女性プロに片方は女性2人、もう片方は男女混合みたいですが・・・」と聞いた。すると彼女は「あれ、女性ですよ。そんな組み合わせなんかありません」と呆れたように言った。へー、どう見ても男にしか見えませんねぇ。
日本からタイにまで遠征して来たのに、こんなぼけ老人の相手をするなんて、と情けない気持ちになったことと思う。この女子プロも淑やかで礼儀正しいお嬢さんだった。

■生活ができるのは一握り
ITFのトーナメントは世界70カ国、年間550回開催されているそうだ。でも例の感染症のため開催数が少なくなっているという。今回のチェンライトーナメントは男子賞金金額1万5千ドル、女子賞金金額2万5千ドルの大会だ。トーナメントにもランクがあり、今回は世界ランキング1000位から500位辺りの選手がエントリーしているようだ。

世界中でプロのテニス選手の人口はどれくらいなのか?正式な数字は公表されていないが、だいたい3,500人から4,000人のプロテニス選手がいるといわれている。その中でもテニスだけで食べていくことができるのは、世界ランキング100位以上の人たちだけで、100位前後でもやっと食べていくことができるレベルだという。

日本のプロテニスプレーヤーの数はというと男女それぞれ数十人という。東京大学なら3千人くらい合格することを考えると、プロテニスプレーヤーの道は狭く険しい。数少ないスポーツエリートだ。アホな質問に付き合ってくれたお嬢さんたちをネットで調べてみると、ウィキやSNS等に写真入りで出ている。ジュニア優勝、インカレ3連覇、高校総体優勝などの戦績を収めた日本のトップレベルの選手ばかり。みなグランドスラムを目指し、ランクを上げるため世界中のトーナメントに出場している。スポンサーがついている選手ばかりだが、ツアーの出場申し込み、ホテルや航空券の手配は自分でやるのだという。

体力的にも精神的にもタフでなければランキングを維持できない。夢を持って頑張る若者たちに敬服せざるを得ない。