チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

 横須賀観光

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ヴェルニー記念館

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同上

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軍港めぐりクルーズ

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ヘリ搭載護衛艦いずも

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護衛艦3隻、六角形の壁はイージスレーダー

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潜水艦2隻


 横須賀観光


■ミスター・スクリュー
横須賀のヴェルニー公園の中に横須賀近代遺産ミュージアムがある。高級レストランと見まごうばかりのおしゃれな建物だ。横須賀製鉄所副所長だったティボディエの洋館を移設したものらしい。展示内容は横須賀製鉄所の歴史ばかりでなくそこから生まれた技術、文化、習慣など横須賀市の総合案内を兼ねている、横須賀及びその周辺の名所パンフレット、地図が数十種類あり、すべて無料、更に何人もの若い女性がいて、丁寧に見所を説明してくれる。記念艦三笠を観たいのですが、と言えば汐入駅から最寄りバス停までの時刻を、スカジャン発祥の地、どぶ板横丁で食事をするなら美味しいハンバーガー屋さんがあります、などと懇切丁寧に教えてくれる。

このミュージアムには小さなシアターが併設されており、明治20年の横須賀造船所にタイムスリップすることができる。当時、国策として国民の工場見学が推奨されており、公園のあたりには見学者用の旅館や料理屋が立ち並んでいたらしい。アニメ仕立てでミスター・スクリューというネジキャラがガイド役を務める。これは小栗上野介が米国の工場見学をしたとき、「これが造れなければ、日本の発展はない」とネジを一個、拾って帰ったという故事に基づく。

米国で宇宙衛星打ち上げのロケットが大爆発した。その原因は外板を留めるスクリューに僅かの誤差があったためだ。何故、誤差が出たかというと電圧が不安定だったため、研磨にミクロン単位の誤差が生じたからという。日本の精密部品の精度の高さは安定した電気のお陰でもある。

■お雇い外国人、ヴェルニーの給料
さて、公園の奥にはミュージアムの他にヴェルニー記念館というフランス風の建物がある。工場で使用された機械が展示されている。横須賀製鉄所には明治9年時点で25人のフランス人が働いていた。お雇い外国人である。明治時代の日本人が偉いと思うのは、お雇い外国人に当時の総理大臣より高い給料を払っていたことである。明治10年頃の大臣の年収は6000円、令和に換算して6千万円、小学校の校長が400円(400万円)、陸軍少尉なら年収で440万円ほどだった。ヴェルニーは元々幕府に雇われていたが、新政府は彼の能力を認めて明治9年まで、令和なら年額にして1億円という給料を払い続けた。富国強兵、殖産興業に賭ける先人の意気込みが感じられる。

世界200ヵ国の内、先進国はせいぜい20か30カ国、あとは高炉一つない発展途上国ばかりだ。国と国民を豊かにしたいと思っている為政者は発展途上国にもいると思うが、大統領より高い給料で経済や技術顧問を外国からスカウトしようと思うだろうか。その意味で、日本は特殊な国だ、ということができる。

■軍港めぐりクルーズ
横須賀に行ったら、アメリカ海軍や海上自衛隊の艦船を間近で見られる「軍港めぐりクルーズ」に行かなければならない。日米の軍艦が見られる日本唯一のクルーズだ。軍事施設を撮影したら、即、警察が軍に引っ張られるという国はざらにある。ウズベクではタシケント空港のロビーで帰国する友人と記念撮影をしていたら、警察官が飛んできて厳しく注意された。ウズでは確か、鉄道駅も撮影禁止だった。中国では普通に風景写真を撮っただけでも、スパイ罪に問われ、国外に出られなくなる。

ところがこのクルーズでは護衛艦、潜水艦、そして米国のイージス艦、油槽艦などが見放題、かつ写真撮影も自由。おそらく中国のスパイは毎日、このクルーズに参加して撮影をしているのだろう。海自、米海軍の艦船の出入りを見ていれば、作戦の一部が解明できるのではないか。
さらに45分間のクルーズのあいだ、説明員が、艦船の種類や名前、役割などを丁寧に説明してくれる。ヘリ搭載護衛艦いずも、護衛艦むらさめ、いかづち、更には潮流観測船なども見ることができた。潮流、海水温により発射された魚雷の命中精度が左右されるのだそうだ。

横須賀は在日米軍司令部がおかれ、航空母艦ロナルド・レーガンの母港でもある。生憎、ドナルド・レーガンはインド洋に出ていて、見ることはできなかったが、いつもは陸地からは見えない横須賀本港の12号バースに停泊しているとのこと。代わりに今は英国の航空母艦、クイーンエリザベスが停泊しているはずだ。クルーズでしか望見できないからスパイは毎回、1500円のクルーズ料金を払って見に行っていることだろう。

なお、明治14年の横須賀一覧図という錦絵を見ると、湾内に軍艦と共に小舟がいくつも浮かんでいる。この時代から、最先端のエリアを船で回るクルージングを楽しんでいたらしい。やはり日本は特殊な国か。