チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

歴史と民度

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巣鴨あたり

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あちこちに石碑がある

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六義園

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六義園の塀

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六義園入り口すぐ

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六義園の池、古くは柳沢吉保下屋敷、その後岩崎弥太郎が都に寄付



歴史と民度

■ハーフの子
スーパーへ行く途中に、我が母校である中学校がある。孫といっていい年頃の後輩たちの下校とか部活を見ながら通る。自分が中学生だった頃に比べるとみな体が大きく、それなりに楽しそうである。中にはハーフとおぼしき肌の黒い子もいる。

自分が昭和30年代に上京してきた時、幼児だった弟が黒人を見て「なんで槍、持っていないの?」と母に尋ねた。弟はターザンの映画でしか黒人を見ていなかったからだ。今は我が後輩とおぼしき黒人の子が同級生とふざけながら下校している。金髪の小学生も武蔵小山界隈で見かける。こうした光景は今では決して珍しいものではないだろう。目立つけれども恐らく彼らは「日本人」である。

ウズベクや地中海沿岸のトルコ、シリア、レバノンあたりだと様々な色の肌、髪、眼の子供が生まれる。肌の色で国籍は?などと問われることはない。何千年にもわたって異民族が入り乱れたため、すっかり混血が進んだ、というわけだ。ウズベクでもたまに金髪で碧い眼の女の子が生まれる。そうすると親はああ、アレクサンダー大王遠征の時のタネが出てきたんだ、という。色白美人ということで嫁入り先に不自由しないとか。また、朝青龍そっくりの子も生まれる。こうなると子づくりも楽しみだと思う。
ロシアは契丹フン族などいわゆる韃靼人に蹂躙されたから、レーニンプーチンなどなんとなく東洋系の風貌を持つ人がいる。フン族ハンガリー辺りまで侵攻したので、東欧にはアジアの面影を残す人がいる。

日本では「はだ色」のクレヨンはない。人種によって肌の色は違うじゃないか、差別だ、というので、今は「薄だいだい色」と名前を変えた。ハーフは室伏広治ダルビッシュ大坂なおみ、サニーブラウンなど身体能力が高く、イケメン、美女も少なくない。日本女性の評価は世界的に高いし、人の往来に伴って日本人の混血化が更に進むに違いない。これから先、ジェノサイドが日本を襲うかどうかはわからないが、あと数百年経ったら、ウズベク並みに「今度の赤ちゃんの肌の色はどうかしら」と期待する世の中になっているかもしれない。

■タイ人はいない
大阪外大の赤木先生は、タイにはタイ人はいない、と断言されている。これはまず、タイの大学の会議で集まった同僚の顔つきがみな違っていたという先生の個人的経験から出発している。曰く、クメール系、華人系、マレー系、インド系、タイ系・・・・・。
タイに行く前に名前を知っていたタイ人といえばポンニット・キットヨーテン、ソムチャイ・ナントカといったキックボクサーくらい、みんな沢村忠の真空飛び膝蹴りであえなく倒されていた。ああいったクメール系の鼻ぺちゃの顔がタイ人一般かと思っていた。しかし10年タイに暮らしてみると赤木先生の「タイにはタイ人はいない」のご意見に頷かざるを得ない。タイは陸続きで、カンボジアビルマラオスに攻められたり、攻め込んだり、また海路でペルシャ、アラブ、ギリシャの商人が交易地として渡来していた。当然混血が進む。進んだといっても、土豪国が各地に存在していたという歴史が長いから、ウズベクやトルコ、シリアのような何千年に亘る広範な混血がまだ起こっていない。いわば現在でも文化的、民族的にもそれぞれの出自を残した人々でタイという国が構成されている、いわゆる「外来人国家」(赤木先生)としての特徴を残しているといえよう。

■生まれながらに日本人
タイという国ができたのはせいぜい200年前のことだ。仏教とか王制といった国民の心を一つにする「何か」がなければ、独立運動の頻発、宗教的対立で国が分断される。北タイの人にはタイ人というよりランナー人であるという意識があるし、タイ南部では回教徒と仏教徒のテロ騒ぎが続いている。微笑みの国という温和なイメージとは裏腹に反政府デモの度に何人も死者が出る。成熟した国とは言い難い。

考えてみれば、米国は独立してまだ250年、中国も本当はまだ建国して100年も経っていない新しい国だ。いつも政権がグリップを効かせていないとバラバラになってしまう、という脆さを内部に抱えている。

その点、日本人は意識することなく日本人という同族意識を持っている。民度の高さも群を抜いている。友人とじゃれあっていたあの黒人系中学生が運動会のリレーでごぼう抜きを演じたら同級生はスゲー、と感心するだろう。能力があって性格がよければ日本の社会では認められる。混血が進んだとしても、2600年の伝統と民度をもってすればそこらあたりの新興国に負けるはずはない。