安房上総のホテル7階から 右上方が守谷湾
守谷湾
守谷湾左手の犬が崎、岩の模様がいい
梅雨の晴れ間
テントをたてて家族で海水浴、守谷海水浴場
波、堂々と磯を打つ
科学と伝統
■技術の進歩
孫悟空が觔斗雲に乗り、千里の道をひとっ飛び、或いは千里眼で遠くの様子を眺めたり、そこにいる人と話をする。今はジェット旅客機で、地球の裏側でもすぐ行ける、SNSやグーグルで異国の風景を見て、異国の人と話している。科学技術の進歩は素晴らしい。まさに現代人は昔の人が考えた「仙人」の世界を実現していると言える。
でも技術が進歩したからといって、人間の感情は変わらない。例えば、人を好きになる、嫌う、憎む、諦めるといった心の動きは古今東西変わりようがない。ハイティーンは何時の時代でも初めて異性と手をつなぐときはドキドキするだろうし、人にもよるだろうが、振られたら多少は落ち込む。こうやってせいぜい100年の寿命を終える。これを何世代も繰り返している。冠婚葬祭は何千年にも亘る各民族の歴史のなかでやり方が決まっていった。これを慣習、文化という。自分には親が、祖父母が、更に何十代にわたって先祖がいて、先祖の生活の中で決まってきた仕来りがある。
■心も科学で?
20世紀になって、科学の進歩に伴い、技術だけでなく、すべての人が平等となる科学的社会主義という思想が生まれた。日本共産党は未だに「科学的社会主義を発展させる日本共産党」と言っている。マルクス主義では一党独裁で何でも科学的に決定するから、党が命じる男性と女性は結婚する。最近観たハンガリー映画「この世に残されて」の中でも党が伴侶を選定する様子が描かれていた。
科学的社会主義に反する慣習、文化、宗教は「遅れた前世紀の遺物」として排除される。男は働き、女は家庭を守り、子育てをするという従来の慣習は、女性も働き、子供は保育園で国家が育てる、に変わった。夫婦別姓で家庭を崩壊させ、個人と国家を結びつける。家庭は国家の敵だ。
伝統、歴史、文化を忘れると「今だけ、カネだけ、自分だけ」の殺伐とした社会になる。保守政党といわれる自民党でさえ、次の選挙で当選するかどうかだけが自分の関心事、という議員がいる。ナンミョー政党におもねって、新彊ウィグルにおける人権侵害対する対中非難決議の採択一つできない。国家百年を考えて政治家になったのではないか。補助金の拡充を求める、道路の整備を頼むだけの「今だけ、カネだけ、自分だけ」の有権者が国家観、歴史観を持つ候補に投票しないのだろう。でもそれでいいのかと思う。
■女系天皇阻止へ
多くの有権者はマスコミを情報源とし、「憲法と世論調査」によって自分の意見を作る。歴史、文化には関心はない。男女平等という憲法と女系天皇賛成が7割という世論調査をみて、女系天皇、女性宮家創設に賛成する。しかしながら共産勢力の日本潰しの企みに気づく人も増えてきた。以下は7月3日付産経抄から。
やっとここまで来たかと感慨深い。政府の安定的な皇位継承策などを議論する有識者会議は皇族数確保のため、女性皇族が婚姻後も皇室に残る案と並べ、旧宮家の男系男子が皇籍復帰する案を中心に議論を進めていくと確認した。旧宮家復帰案はこれまで、正面から議論されてこなかった。
▼「旧皇族はすでに60年近く一般国民として過ごしている」。小泉純一郎内閣の皇室典範有識者会議は平成17年、連合国軍総司令部(GHQ)の圧力で皇籍離脱した旧宮家の復帰を論外扱いした。父方の系統に天皇を持つ男系による皇位継承という有史以来の伝統を軽んじ、女系天皇容認に走ったのだった。
▼異を唱えられたのが上皇陛下のいとこである「ヒゲの殿下」こと故・寬仁さまだった。「(旧宮家復帰は)我々にはまったく違和感などありません」。「もし(女性天皇と女系天皇の違いなど)情報が全くゼロの中で〇か×かとやられたらたまりません」(明成社『皇室と日本人 寬仁親王殿下 お伺い申し上げます』から)。
▼女系天皇容認の動きは、秋篠宮家に男子である悠仁さまが誕生されたことでいったん沙汰やみとなった。だが、その後も旧宮家復帰に関しては「国民の理解が得られない」「グロテスク」などの否定的な見解が、政府高官から示され続けていた。
▼ところが、菅義偉内閣の有識者会議が専門家ら21人にヒアリングしたところ、少なくとも11人が旧宮家復帰に前向きだった。特に作家の綿矢りささんや、気象予報士の半井小絵さんら若い世代に抵抗感がなかったことは、頭の固い一部官僚らには驚きだったのではないか。
▼表舞台で議論が始まって16年以上がたち、皇室の歴史や在り方への理解が広まってきたことの帰結だといえよう。(引用終り)
技術は進歩するが感情や心は進歩しない。だが蓄積されて民族の智慧となる。伝統、文化、歴史を尊ぶ若い世代に期待したい。