チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

鎌倉散策

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明月院

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同上

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明月院枯山水庭園

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ジャヤワルダナ氏顕彰碑

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同上

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高徳院阿弥陀如来、鎌倉の大仏で知られる


鎌倉散策

■鎌倉、明月院
梅雨入りの前に鎌倉へ出かけた。梅雨の時期、鎌倉の人気第一といえばアジサイ寺で知られる明月院である。明月院臨済宗建長寺派北条時宗が建立した寺院で、明治初年に廃絶した禅興寺の塔頭である。紫陽花の本数は約2,500株でそれほど多くはないが、『明月院ブルー』と呼ばれる涼しげな淡いブルーの紫陽花が咲いている参道は、まるで別世界、などとガイドブックにはある。見頃を迎える6月末ともなると、北鎌倉駅から明月院までの300メートルの道が訪問客で埋め尽くされ、待ち時間1時間も珍しくないとか、雨具や飲み物の用意が必要という。

6月初旬の平日に行ったのだが、北鎌倉駅を下りた集団は手前の円覚寺には目もくれず、みな明月院を目指す。若いカップルが多い。明月院に入る小路には警備員がいて、交通整理をしている。10時過ぎというのに上から降りてくる人波が途切れない。右側を入場者が登っていく。入場料は500円、アジサイが咲いていない時期は300円という。

境内は人で一杯、皆、アジサイをカメラに収めるのに夢中だ。外人はいないかと思ったが、浴衣を着た中国人が結構目についた。「ヌン、ソン、サム(1,2,3)」と言って写真を撮る男性がいた。今時、こんなところにタイ人が、と吃驚した。え、タイ人なの、と声を掛けようと思ったが、人波に押されて、その機会を失ってしまった。人出は渋谷、原宿以上、感染症の影響は全くなしである。

■ジャヤワルダナ氏顕彰碑
実をいうと鎌倉でのお目当ては鎌倉の大仏で知られる高徳院、この境内にセイロンの大統領を務めたJ・R・ジャヤワルダナ氏の顕彰碑がある。3年前にスリランカを旅した。その時に彼の名を知った。1951年、サンフランシスコ対日平和条約の締結と調印のための会議で、彼は日本を国際社会に迎え入れるべく、感動的な演説を行った。

講和会議でソ連は、「日本に平和や自由を与えることは許されない」、「国を分割して統治すべき」と、米ソ英中の四ヶ国による日本分割統治を提唱した。その分割案に真向から反対した国が出席国の中で最も弱小の島、英連邦内自治領セイロン(現スリランカ)代表だった。
同じアジアの仏教国という立場から、参加国に寛容の精神を求め、日本に対するいかなる制裁にも反対し、日本の完全独立を認めて国際社会の一員として迎えるべきだと説いた。

ジャヤワルダナ氏は、多くのアジア諸国が日本との関わりがあり、その恩恵を受けたこと、また日本人は同じ肌の色をしたアジア民族であり、日本が戦ったのはアジア人を搾取した白人国家だった、日本はアジアのために白人国家と戦った、と戦勝国を前に堂々と主張した。彼はアジアの一体感を呼び覚ましたとも言える。

敗戦国日本に対して、利害を超えて「尊敬」と「共感」を表明し、日本の独立を強く支持するジャヤワルダナ氏の言葉に会場はうち静まっていった。彼が話し終えた途端、会場であるオペラハウスは窓が割れんばかりの大拍手に包まれたという。

日本人が忘れてはならない恩人であるジャヤワルダナ氏の顕彰碑を一度は目にしたいと思っていた。今回、その懸案が解決したというわけ。彼の演説に感涙にむせんだ吉田茂元首相は生涯、ジャヤワルダナ氏との交友があった。またジャヤワルダナ氏は遺言で角膜を一つは日本に、もう一つをスリランカの女性に寄贈している。

■ブログ添付用写真
かまくらや みほとけなれど 釈迦牟尼は 美男におはす 夏木立かな」。与謝野晶子の有名な歌で歌碑が高徳院境内にある。但し、鎌倉の大仏は釈迦牟尼仏ではなく、「阿弥陀如来」という。阿弥陀如来釈迦牟尼仏(釈迦如来)、大日如来薬師如来多宝如来などの先生に当たる方らしい。如来やその下の菩薩様は、病気平癒、学業成就を分業して受け持っておられるがそれら如来、菩薩を統括するのが阿弥陀如来というわけ。タイの仏像は釈迦如来だけだから間違わないで済む。

鎌倉にいるとカメラを提げていても、写真を撮っても、ご同輩がそこら中にいるから気が楽である。変なオジサンが盗撮しているんです、などと通報される恐れもない。鎌倉でもブログ用の写真をかなり撮った。ブログに添付する写真には季節感が重要となる。目黒川の桜の写真は何百枚もあるが、今、ブログに添付すると違和感がある。アジサイだって、盛夏や秋に添付したのではおかしい。その点、チェンライでは1月の花祭りで撮り溜めしたランの写真がほぼ年間を通して使用できる。四季がはっきりしていると時には不便なこともある。

何事もコインのように裏表があるが、四季に関する限り、日本のほうが断然いいと思う。