チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

貧困ビジネス

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横浜そごう入り口

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国際通り?から

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近くの公園の紫陽花

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公園に咲いていた花、望遠で。

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赤レンガ倉庫、いつもは広場でイベントが行われているが

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出航する飛鳥Ⅱ

 

 

貧困ビジネス

■ニュースを理解するために
ニュースは武漢肺炎関連と国内の詐欺事件やら漁船の衝突事故など社会ネタが多い。理性より感情に訴える報道が視聴率を稼げるのかもしれないが、起こっている出来事をセンセーショナルに伝えるだけで、どうしてそうなったか、再発を防ぐにはどうしたらいいのか、といった掘り下げた内容が少ないように感じる。それと国際ニュースが少ない。

チェンライの我が家ではNHKが映らないのでアルジャジーラを見ていた。アルジャジーラアラビア語と英語でニュース等を24時間放送している衛星テレビ局。本社はカタールのドーハにある。タグラインは、「一つの意見があれば、もう一つの意見がある(the one opinion and the other opinion)」。中東ばかりでなく、ラテンアメリカ、アフリカのニュースもある。世界中で起きている紛争、銃撃戦を見ていると、日本は平和な国だなあと思う。チェンライにいる兄に聞いてみると、昨今はパレスチナ問題、ミャンマー民主化運動がよく出てくるという。
最近は地上波テレビ、新聞など大手マスコミへの信頼が揺らいできて、ユーチューブを視聴し、気に入った解説者のコメントを参考にする人が増えてきた。更にコメントが妥当かどうかのウラをネットで調べられるし、BBCアルジャジーラなど海外放送も視聴しようと思えばできる。海外放送の解説はかなりしっかりしているし、英語で書かれていても翻訳機能を駆使すれば大体のことはわかる。これで地上波のコメンテータ以上の事情通になれる。ただ地上波のコメンテータは解説者というより、ディレクターの台本に通りに話す「芸人」だから、そもそも知見などなくても務まる。

パレスティナ問題のウラ
ハマスパレスチナガザ地区に本拠を持つイスラム原理主義のテロ集団である。1970年代後半にできた。イスラム学者、飯山陽さんによると、ハマスイスラエルにとって必要な「貧困ビジネス集団」という。
ガザ地区では電気は1日4時間だけ、水道も時間制限がある。道路、学校は破壊されたまま。5月にハマスイスラエル沿岸部に800発のロケット弾を撃ち込んだ。ロケット基地はガザ地区の住宅街に散在している。イスラエル軍は報復として、ガザ地区空爆ハマスによると、空爆により子ども9人を含む少なくとも20人が死亡、65人が負傷した。ロケット基地イコール住宅地なので市民が死傷することは織り込み済み。
ハマスは死傷したガザ住民の写真を世界中に配信、日本でもイスラエルはひどい、とパレスチナを擁護する声が上がった。この構図はハマスが意図したものだ。強国イスラエルに爆撃された「可哀そう」なガザ市民が報道されれば世界から援助が集まる。バイデン政権も2千万ドルの援助を申し出た。援助は主として国連機関を通じて行われる。でも援助機関で働く職員はハマス構成員、ハマスは援助物資、援助金を自分の懐に入れる。学校改築の建築資材があればハマスの地下施設構築に用いる。ガザ地区は常に空爆の脅威にさらされており、インフラは整備されず、市民は悲惨な生活を強いられている。これが1980年代から40年続いている。どうして市民生活が改善しないのか。それは悲惨な状況が続くことで利益を見いだしている人や組織、国があるからだ。

援助を懐にしていい生活をするハマス幹部は恐らく第2世代に入っている。パレスチナ太子党といってもいい。イスラエルハマスが壊滅すれば、ファタハが台頭して紛争が激化するかもしれない。ハマスファタハの潰しあいでパレスチナ内部が消耗するほうがイスラエル、ひいては米国の国策にかなう。ハマスイスラエルの馴れ合いで5月の紛争もすぐ停戦となった。軍事物資は「イスラエル殲滅」と憲法に掲げるイランがどんどん入ってくる。40年続いているのだから、この貧困ビジネスはまだまだ続く。

■金の流れるところには
十数年前、ある邦人がラオスで日本の小麦粉袋をみた。袋に印刷されている文字からこれは日本が北朝鮮に援助した物資の一部だとわかった。日本は国際機関を通じて食料、医薬品の無償援助を行ってきたが、それを北朝鮮は輸出して外貨を稼いでいたのだ。輸出で得られた外貨が偉大なる指導者の懐に入ったことは言うまでもない。貧困ビジネスは、援助に限らず、カネやモノの移動に伴うところに湧いてくる行動だ。

国連機関、政治団体NGOも含め、人権、差別、と大きな声でいう団体に、どこから金が流れこんで、どう使われているか。金が流れればそれをかすめ取る輩が出てくる。武漢肺炎の休業補償でも税金が100%正しく使われているという人はいないだろう。世の中、ある程度は目をつぶるけれど、カネの流れが分かればニュースに深みが出るのではと思う。