チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

タイに戻る日は

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国道沿いにある品川神社

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荏原神社品川神社より徒歩5分

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荏原神社

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荏原神社、子持ち狛犬

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同上、明治29年の奉納

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荏原神社、郷社なので小ぶり




タイに戻る日は

 

■接種は夏までに
品川区保健所から「新型コロナウイルスワクチン接種券」が届いた。接種には予約が必要で予約開始日は6月14日となっている。初めは混みあうのだろうが、順調にいけば夏には2回の接種が完了しそうである。

現在、タイでは海外からの入国者に対し、14日間のホテル隔離を義務付けている。1,2カ月前まで10日に短縮されていたが、タイにも感染の波が来て元通り14日間の隔離となった。今、チェンライに戻るとホテル代や疾病保険等で15万円くらいかかる。費用もさることながら、14日もホテルで無為の時間を過ごしたくない。それにそこまでしてチェンライに戻るべき理由も待っている人もいない。

チェンライ戻りを急がない理由はほかにもある。ワクチン接種証明があるタイ入国者は秋以降、ホテル隔離の義務がなくなるという噂があるからだ。9月からはとりあえずホテル隔離期間が7日に短縮されるともいう。タイのことであるから当局が発表したとしてもすぐ撤回される。落胆したくなければ期待するな、タイ発の情報は常に眉唾で聞かないといけない。しかし英米イスラエルではワクチンの効果で新規感染者は減っている。タイでもワクチン接種が始まっているし、事態はいい方向に進んでいることは間違いない。早ければ9月、遅くとも年内にはチェンライに戻れそうだ。

■タイの状況も好転へ
日本は世界でも武漢肺炎抑え込みに成功している国だ。日本の昨今の累計感染者数はざっと70万人、死者は1万2千人、一方、タイの累計感染者数は12万人、死者は約700名である。タイでは実質的な鎖国、県をまたぐ人の移動禁止、飲食店の閉鎖、マスク着用の強制など軍政をバックに厳しい予防措置を取っている。だから感染が少ない。チェンマイでは1日の新規感染者が5月の初旬から20人台から10人台、一桁と下がってきているが、いまだにレストランでの酒類提供は禁止だ。チェンライでも数人の感染者が出たため、飲食店での飲酒は禁止、酒無しなら飲食店の商売は上がったり、は日本と同じ。ビヤバーは閉店、おねえさん達はどう暮らしているのかと心配するネット記事も散見される。

タイは雨期に入り、チェンライはキノコの季節に入った。今年はキノコよりもキノコ採りの人が多く、収穫は少ない、これも不景気の表れかとキノコ採りが趣味の友人は言う。
不景気は農家にも及んでいる。トロピカルフルーツは観光客が好んで食べる。観光客が減少しているから農産物価格も下落傾向。今盛りのマンゴーは1個5B(16円)という。チェンライ名物、ナンレー種のパイナップルは1個1B以下、人件費も出ないので、いるならタダで持って行ってという状態。だが、この状況もワクチン接種進展と共に解消されるはずである。世界的にもあと半年の辛抱だ。明るい見通しがあるから株価も高い。

■日本での生活は最高だが
ウズベクの夏は気温40度、湿度5%、冬はマイナス20度の厳寒という気候だった。あんな国によく住んでいたなあ、と思う反面、ビールはともかく結構うまい果物も料理もあった、と懐かしく思い出す。チェンライは今、暑季が過ぎて雨季に入ったから果物が美味しく種類も豊富となる。ぐったりする暑さとその後のスコール、ライムを絞ったラオカオ・・・、国にはそれぞれの食べ物、気候、文化があって、それぞれいいところがあります、が一般的な感想だろう。でも自分のようなロングステイヤーには違った答えが期待されているように思う。

英国の階級社会で育ったモラエスの孫娘は、祖父をヤクザな無頼漢としか思っていなかった。東洋の女と暮らしてそこで果てた人間を白人社会は上級国民とは見なさなかったと思う。同様に一部の人はタイに暮らす老人を快く思っていない。「チェンライに住む老人は貧乏でロリコンのエロジジイばかり、チェンライで日本ジジイを見たら、取りあえずケリを入れてやりましょう」という2チャンネルの書き込みがあった。正しいかどうかは別にして、こういう風に見られているのだな、という自覚は常にある。

1年以上を日本に暮らし、日本の良さを再認識している自分に、友人は「このまま日本にいたら?」と言ってくれる。心が動く。

歴史、文化、伝統、言語、そして学友、親族、地域といった共同体、帰属意識はもちろん日本に在る。そうであっても、思考を拒否するあの暑さ、自堕落という甘い罪悪感、トロピカルフルーツの妖しい香りにも似た倦怠感、自分はダメ人間だと思いながらの微睡、こんな瞬間も捨てがたい。
やはり、どんな国にもいいところはあります。