チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

江戸東京博物館

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博物館外観

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エスカレータ

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エスカレータの壁面画

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実物大日本橋

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歌舞伎舞台、実物大

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街頭テレビ、力道山の空手チョップを久しぶりにみた

 

江戸東京博物館

 

■引き籠り
気温にする体の慣れ、いわゆる寒冷馴化、暑熱馴化を実感している。12年前の1月に東京から乾季のチェンライに移り住んだ。乾季は北タイの冬にあたり、最低気温が12-13度に下がる。しかし日の出とともに気温が上がり、日中は25度以上に上がる。日中は半袖で充分、それでもタイ語のジアップ先生にTシャツ1枚で寒くないの?と心配されたものだ。体が冬の東京仕様だったからだろう。25度を下回ると日本の炬燵に潜り込むというチェンライの邦人に呆れていた。でもチェンライ在住3年もすると、体がすっかり南国仕様に変化してしまい、乾季には長袖、時にはブルゾンを羽織るようになった。寒さにめげてチェンライのスーパーでニクロム線ヒータを買おうとしたこともある。

軟弱な体質で今、越冬生活をしているから、凍死しないよう部屋を暖め、風呂にも頻繁に入る。「首周りを温かくして暖かいコートを着て外出して下さい」と天気予報士のおねえさんに言われれば、余計なお世話だ、などと可愛げのないことは言わず、外出を控える。
本の返却のため図書館に、卵が無くなった、とか必要がなければ外出しなくなった。引き籠りである。老人は2日寝たきりになると歩けなくなる、と本に書いてあった。布団にくるまって終日本を読んでいる自分は寝たきり老人そのものではないか。このままでは杖にすがる日も遠くない。テニス再開など夢のまた夢になる。
それで1日引き籠りをしたら翌日は外出、を心掛けた。図書館、買い物も自転車には乗らず歩いていく。

■一般600円、シニア300円
今年になって映画は十数本観ている。今日は1日中家にいたから明日は映画、と思ってネット検索をした。でも面白そうな映画がない。ふと1月に相撲を見に行った時、国技館の隣に江戸東京博物館の巨大な建物があったことを思い出した。明日は気温が相当下がるから入場者も少ないだろう。折角、東京にいるのだからここに行ってみよう。

「東京都江戸東京博物館は、江戸東京の歴史と文化を振り返り、未来の都市と生活を考える場として平成5年(1993年)3月28日に開館。高床式の倉をイメージしたユニークな建物で、常設展では、徳川家康が江戸に入府してからの約400年間を中心に、江戸東京の歴史と文化を紹介。見応えのある縮尺模型のほか、浮世絵や着物、生活道具など、当時の資料も豊富に紹介している。」

都営地下鉄両国駅は博物館のすぐ裏手にあるのだが、正面切符売り場まで5分は歩く。寒風に首をすくめながら3階入場券売り場に行く。モコモコのダウンコートを着た警備員が数人いた。10時過ぎだが入場者は自分一人、狙いは当たったがこんなに多くの人に出迎えてもらって心苦しい。検温を済ませ、入場券購入。一般ですか?、いえ、シニアです。チケット売り場の女性は、65歳以上の証明書はありますか、という。そんなお年にはとても見えませんよ、というお世辞かと思ったが、深めに被った野球帽に顔を覆うマスク、銀行強盗かテロリスト、もしくは年齢詐称と疑われたのだろう。すみません、と慌ててパスポートを差し出す。

僅か300円しか払っていないのに、全警備員の丁寧な見送りを受けて、3階から6階に続くエスカレータに乗る。前後には誰もいない。左右の壁には浮世絵の男女像が描かれており、おお、これから江戸の歴史、文化に触れるのだという期待感が高まってくる。名ある神社では一の鳥居から二の鳥居、拝殿、本殿へと、静謐さを通して次第に心が清められていく。このドーム内エスカレータも神社にヒントを得たものであろうか。

■おトク感抜群
入り口でまず目に入るのは実物大の日本橋である。橋の北側半分をそのままに再現している。橋を渡って展示フロアに入っていく仕組みだ。また入り口ではデポジット方式で無料の音声ガイドが借りられる。
常設展示室は『江戸ゾーン』と『東京ゾーン』とに分かれている。江戸から東京への変遷が原寸大の模型やジオラマで楽しめる。江戸時代の庶民文化のコーナーでは、教養、洒落っ気、勤勉さ、助け合いなど日本人の民度の高さを実感した。また昭和の展示では1960年代の学校給食、街頭テレビ、黒電話などがあり、自分の子供時代はもう歴史に入っているのだな、と複雑ではあるが懐かしい気持ちになった。とにかく素晴らしい。2時間半いたが、それでも時間が足りないほど。

尚、写真撮影はほぼ自由である。音声ガイドを返却した時、ピン札の千円札が戻ってきた。最後までトクした、と思える博物館だった。

参考

江戸東京博物館は見所満載!どこよりも詳しく写真付きで紹介 - 東京ルッチ (tokyolucci.jp)