チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

義理も人情もない

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昨年秋の日展から

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同上、やさしそう

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同上、きつそうな子

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同上、眼の光がすごい

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同上、髪の毛が素敵

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同上、評価は分かれると思う


義理も人情もない

■集団ヒステリー
東京五輪パラリンピック組織委員会森喜朗会長の女性に関する発言をめぐる日本社会、特にマスコミや国会の狂騒には驚いた。何か裏があるんじゃないかと邪推してしまう。森氏が謝罪したにもかかわらず、一方的な糾弾を続ける姿はまるで集団リンチかいじめのようだ。

森さんの発言の前後を読んでみたが、どうしてこれが女性蔑視発言なのかわからない。「女性が入った会議は長くなる」とサッカー協会の理事会を引き合いに出している。会議が長いかどうかは女性理事が少ない時の理事会とその後の女性理事が入った会議の時間を比べてみて、ホントだ、確かに女性理事が多くなると会議時間が増えているね、とただ時間を定量的にみればいいだけの話ではないか。

会議は目的があって開かれるもので、時間の長短は目的達成とは関係ない。長く慎重に議論したのでいい結果が出た、という会議もあるだろう。また女性が入った会議では男性が張り切りすぎて長広舌を振るって時間を超過したのかもしれない。そうなれば悪いのは男性ということになり、この場合、男性を糾弾しないといけない。

■作られた世論
発端は発言の一部を切り取って朝日の電子版に短い記事が載ったことだ。するとこれは女性差別だという書き込みが殺到し、NYタイムスもすぐ取り上げた。ご注進並びに特定ネット市民の扇動があったのだろう。朝日と毎日はそれを見て一面、社説で森叩きを始めた。森さんは少し喋りすぎのところはあるかもしれない。でも彼を長年取材している女性記者は差別主義者らしい振る舞い、言動はない、むしろ気配りの人と言っている。


森さんは重度の肺がんで死を覚悟していた。でも小野薬品とノーベル賞の本庶教授が開発した免疫剤オプジーボが劇的に効いた。オプジーボは2割の患者さんには劇的に効く。それでも83歳、痩せているし、顔色もよくない。透析もしている。

石坂泰三という経団連の会長がいた。80歳の時、自宅玄関で靴を履きながら「つらい・・」と漏らした。それを中年の娘さんが聞いている。迎えの車が来ていて、毎日会合の連続だ。
東京オリパラ組織委員会の会長はラクな名誉職ではない。病身をおしての森さんの活躍についてはいろいろ書かれている。世話になり、助けてもらった人は多いはずだ。皆それを知っている。でも「女性差別主義者」のレッテルが貼られると真偽は別にしてスポーツ関係者、与党議員まで背を向けた。NHKニュースでは五輪金メダリストに「やはり女性差別はまずいんじゃないかと思います」と言わせていた。取材記者が「女性差別はよくないですよね」と質問したに違いない。こうして「世論」は作られていく。世論に同調しなければ、ごく普通に暮らしている愛妻家であっても「お前は女性差別論者」と言われ社会的に抹殺される恐れがある。

五輪スポンサーも「差別主義者」と言われたくないので、(心ならずも)「森さんの発言は穏当でない」と言い出した。ポリコレでおかしなことになっている米国ではNBCが森批判に同調した。IOCは米国のテレビ放映権で成り立っている営利団体だ。

その必要はなかったと自分は思うが、森さんは自分の発言を撤回し、謝罪した。IOCは本人も謝っていることだし、今回の件は不問にしたいといった。しかし、有力スポンサーの意向は無視できず、IOCは森批判に転じた。謝っているのに許さない。自分の子が謝っても許さない風潮があるのだろうか。

■沈黙は同調だ
保身のため誰も森さんを擁護しなかった。菅首相も橋本五輪相も背を向けた。五輪陸上銅メダルの為末大は「沈黙は同調だ」というサヨクの声に押され、「私はいかなる性差別にも反対します。そして、理事会での森会長の処遇の検討を求めます」と意見を表明した。

自分だったら「おでこを地べたに擦り付けて頼んできたから、引き受けてやったのにこの仕打ちかい、ばかばかしくてやってらんねえよ」と辞めるところだ。結局、森さんは辞任したが、自分のような下品な捨て台詞は言わなかった。不本意ではあったと思うが、森さんには残された人生をのんびり過ごして頂きたいと思う。

凋落著しいサヨクマスコミは、こうすれば有力者のクビが取れるんだ、と元気が出たことだろう。だが別の期待もある。今回、女性差別に抗議した人々は、当然のことながら今、中国で行われているウィグル、チベット、モンゴルで行われているレイプやジェノサイドに抗議し、来年の北京冬季五輪ボイコットに声を上げてくれるに違いない。
だって「沈黙は同調」なんでしょう。