チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

長丁場を覚悟

 

f:id:hidenaka24:20201004131124j:plain

渋谷に行った。渋谷のスクランブル交差点

 

f:id:hidenaka24:20201004131209j:plain

スクランブル交差点、いくらか人出が多くなった。

 

f:id:hidenaka24:20201004131229j:plain

渋谷の待ち合わせと言えばここ。

 

f:id:hidenaka24:20201004131302j:plain

道玄坂2丁目

 

f:id:hidenaka24:20201004131325j:plain

王選手がよく来ていた台湾料理

 

f:id:hidenaka24:20201004131345j:plain

こんなに高いビルも。



長丁場を覚悟

 

■図書館の利用カード
区立図書館の利用カードを作った、と友人に話したら「お前も長丁場を覚悟したようだな」と言われた。そうかもしれない。4月、5月はすぐにでもチェンライに戻れるだろうと考えていた。単発的に読書をすることがあったが、図書館に借りに行くという発想はなかった。東京の暮しは旅行途中の仮の姿、チェンライに戻ればいつもの落ち着いた日常生活が待っている、と考えていたから、日本で読みたい本を探して、という気分にはなれなかった。

読書家というほどではないが、昔はよく本を読んだ。図書館の利用カードでは確か10冊まで借りられたが自分のカードでは足りなくて、家族のカードも使って、週に2,3度は図書館に通った。図書館の書架にはない本をネット検索し、最寄りの図書館に取り寄せてもらう。
寝る前に本を読む習慣があったので、いつも枕元には7、8冊の本があった。最初のページからあとがきまで丸々一冊読むこともあるが、必要個所だけ読んで返却することもあった。西域に憧れた井上靖の歴史紀行文を読むうちに、井上さんの導きで司馬遼太郎シルクロードの紀行文を、また司馬さんが激賞している英文学者、福田麟太郎の随筆に読み耽り、更には福田麟太郎が感嘆したという評論家、吉田健一の文章に魅せられて彼の随筆を読む。こんな芋蔓式読書をしていた時もある。
それがチェンライに住んで10余年、本を読む習慣を失っていた。チェンライに来た友人が置いていってくれた本を読む程度。日本人会の図書室はあるが、借りに行くには20-30キロ車を走らせる必要がある。
タイに住んで、自分は本を読まなくても暮らせる人間なんだ、と初めて分かった次第。

■タイの観光客受け入れ状況
図書館の利用カードを作った8月は、確かに年内はチェンライに戻れそうもないと覚悟した時だ。航空券も8月便の予約がキャンセルされて以来、新たな予約はしていない。
10月現在、日本からバンコクへは週2,3便飛んでいる。多少、運賃が高いのには目をつぶるにしても、バンコクに着いてから15泊16日のホテル隔離、10万バーツ以上の疾病保険加入、PCR陰性、並びに英文健康診断書等、手間とお金がかかるので、一般の旅行者が気軽に行き来できる状態ではない。

また、タイの武漢肺炎の感染者、死者はそれぞれ3600人、60人と他国に比べれば桁違いに少なく、爆発的感染は起きないとみられているが、タイ政府は非常事態宣言を10月末まで延長している。これは感染症対策というより、相次いでいる反政府デモの取締りの為、と言われている。反政府デモではこれまでタブーとされてきた王室(ワチラロンコン国王)批判を公然と行っている。こういった不穏な社会情勢では、海外からの観光客をお迎えしましょう、という気分になれないかもしれない。
しかし反政府デモは GDPの2割を占める観光収入の激減による経済停滞が背景にある。現在、観光地は文字通り閑古鳥、プーケット郡やチェンマイ市の人口はそれぞれ20万人前後と言われているが、昨年プーケットを訪れた観光客は1060万人、チェンマイは340万人だ。チェンマイはすっかり寂れた田舎町になっているという。
鎖国を解いて観光客を呼び込めば、経済も潤い、人々に明るさが戻り、反政府デモも収まるのではないかと思うのだが。

■すっかり生活者
区立図書館には新聞がある。朝から老人が詰めかけて、読むのが遅い、早く回せ、早い者勝ちだ、と喧嘩が絶えないと聞いていた。でも今は閲覧室の利用時間が1時間以内となっているし、読者が少なくなっているせいか、新聞の取り合いといった光景は見られない。また、閲覧室で受験勉強している生徒もいない。塾全盛のせいだろうか。
図書館ではCD、DVDも貸してくれる。 すっかり忘れていたから、ブック・オフではあったが、辻井伸行さんのCDを2枚も買ってしまった。今は、週2日は図書館にCDや本を受け取りに行く。

食材にも変化が出た。調味料は、タイにすぐ戻るし、と少量しか買わなかったが、先日、青じそドレッシングの1リットルボトルを買った。いちごジャムも800g入りの大瓶を買ったが、もう3分の1くらい消費している。時折、鶏もも肉のパックを買っていた。パックにはブラジル産解凍品とある。業務用スーパーに行ったら、冷凍のブラジル産もも肉が2キロ入りで売られていた。値段は解凍品の半分以下、なんだ、これを小分けすればいいんじゃんと冷凍品を買った。食べきる頃には戻れるかなあ、と思いながら、冷凍スペースが一杯になっていく。

すっかり旅行者から生活者になっている。