チェンライの市場から

「市場に並べられた商品からその国の生活がわかる」と言われます。当ブログを通じてチェンライに暮らす人々の生活を知って頂きたいと思います。 チェンライに来たのは2009年から、介護ロングステイは2018年8月母の死去で終わりとなり、一人で新しい生活を始めました。

武漢肺炎より怖い

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故宮南院

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武漢肺炎より怖い

 

■映画館まとめ

映画館は3密の最たるものと思われがちである。でも帰国した3月は、武漢肺炎の緊張感が高まりつつあるところであったから、映画館は空いていた。品川のシネマジョイでは200-300席の座席のうち、埋まっているのは10席くらい、映画が終了して後は振り返ってみたら3,4人しかいないことがあった。映画館は空調が効いているし、3列に1名しか観客がいないし、そもそも映画を見ながらしゃべる人はいないのだから、電車に乗ったり、スーパーで買い物をする方がずっと感染の可能性が高い。

 

飯田橋にあるギンレイホールは200席ほどの小さな名画座である。2本立てで1000円、支配人は女性という。映画ファンの心をつかむ作品上映を心がけていて、支配人の心意気を感じる。

飯田橋駅を降りて靖国神社方面に富士見坂を上って高校に通っていた。半世紀以上前のことだ。帰りは飯田橋の駅からそのまま帰宅。あの頃、飯田橋外堀通りに面して佳作座という映画館があった。3本立てだったような気がする。佳作座がギンレイホールになったのかと思っていたが、ギンレイホールは1974年にスタート、佳作座は1988年に閉館、2館並立していた時期があったようだ。

高校の中間、期末テストが終わると、佳作座には我が校の生徒が沢山居たという。自分は硬派というか融通の利かない少年だったので、神楽坂方面に行く高校生は不良だと思っていた。同級生がパチンコをしていて、隣のおっさんが「さっぱり出ねえなあ」とつぶやくので顔を見てみたら我が校の数学教師だった、などという話を苦々しく聞いていた。

神楽坂に行かなかったのは自分が不良を嫌っていたというより、多分、喫茶店や映画に行く金がなかったのだと思う。かといって親にせびるとかバイトをするという考えがなかったのは不思議である。

ギンレイホールは熟年を中心に2割ほどの入りだった。帰国後行った映画館の中では一番混んでいる。自分の3席左に座った老人はB6ほどの大きさのノートにものすごい速さでペンを走らせていた。休憩時間になるとホカ弁を取り出して2,3分で食べ終えると、またノートに大きな字を書き連ねる。長髪、ジャンパー、もしかして名のある映画評論家なのかもしれない。

ギンレイホールは老夫婦割引がある。左隅の2席に老夫婦がいて、少し手が不自由なご亭主に奥さんが飲み物を勧めている。いたわりあって、趣味の映画を見に来ているのだなあ、と心温まる思いがした。パソコンで鑑賞するのと違って、映画館には映画ファンの人生が垣間見えるようで、これも映画館に行く楽しみの一つと言える。

 

■正しく怖がる

年金老人のささやかな楽しみは、映画館休館という形で絶たれてしまった。行くところがないということはつらい。まとまった休みが取れれば、それ、旅行ということになるが、今は東京人が地方に行くとバイキンマンが来たかのように嫌われる。自分もPCの前で大人しくしている。

正しく怖がれ、というが武漢肺炎で亡くなった方は200人でしょう。それも60歳以上の人が全体の4分の3を占める。この際、老人に限り、映画館を開放してはどうか。老人が死ぬのは順番だから仕方ないし、年金の支出も、それから朝日新聞の購読者も減る。

北大の先生が武漢肺炎で国内で約85万人が重篤になるとの試算を公表した。うち約42万人が死亡する恐れがあるという。でもこれは何も対策を取らない場合、という前提だ。映画館は閉まっているし、飲み屋、イベント、プロ野球は開催の見込みが立っていない。国民ができる範囲で対策を取っているのに「何も対策を取らない場合」の試算など発表して何の意味があるのか。ただ単に怖がれ、ということか。


武漢肺炎で死ぬ確率

今、一人暮らしである。咳も熱もない。でも風呂に入るときは注意している。浴槽内での溺死は2016年のデータで5632人。その85%が70歳以上の高齢者、70%以上が家庭内の風呂だ。野村監督の溺死も記憶に新しい。熱中症でも年間1000人は死ぬ。白血病では年間8000人ほど亡くなる。もう撲滅されたと言われる結核でも年間1700人ほど亡くなっている。

福島第2原発では放射能で死んだ人はいないが災害関連死は657人に上る。政府は経済対策を打ち出しているが、失業率と自殺者数には相関関係がある。不況による自殺者増加も心配だ。ここ数年、2万人台に落ちていた自殺者数は、過去のデータから3万人以上に跳ね上がるとみられている。武漢肺炎より恐れるべきことはいくらでもある。